これまでに聴いてきたアルバムで、みなさんにぜひ聴いてもらいたいモノを紹介します。ちなみにジャケットは、とある画伯に依頼して描いていただきました。(ウソ!!)
LIVE AND DANGEROUS
THIN LIZZY(1978)
Blizzard of Ozz
Ozzy Osbourne(1981)
Ⅱ
LED ZEPPLIN(1969)
THE MICHAEL SCHENKER GROUP
THE MICHAEL SCHENKER GROUP(1980)
WIRED
JEFF BECK(1976)
FAIR WARNING
VAN HALEN(1981)
Power Windows
Rush(1985)
HIGHWAY TO HELL
AC/DC(1979)
Todd
Todd Rundgren(1973)
Whitesnake
Whitesnake(1987)
Wish you were here
Pink Floyd(1975)
BLACKOUT
SCORPIONS(1982)
Heartbeat City
The Cars(1984)
Toys in the Attic
AEROSMITH(1975)
Ziggy Stardust
David Bowie(1972)
CANTERBURY
Diamond Head(1983)
Grace
Jeff Buckley(1994)
Screaming for Vengeance
JUDAS PRIEST(1982)
NOW AND ZEN
ROBERT PLANT(1988)
Synchronicity
The Police(1983)
Fire and Water
Free(1970)
LISTEN WITHOUT PREJUDICE,Vol.1
George Michael(1990)
Pop
U2(1997)
MISDEMEANOR
UFO(1985)
Dr. Feelgood
Mötley Crüe(1989)
Modern Life Is Rubbish
Blur(1993)
Powerslave
IRON MAIDEN(1984)
BADLANDS
BADLANDS(1989)
KATMANDÜ
KATMANDÜ(1991)
Carved in Sand
The Mission U.K.(1990)
SONIC TEMPLE
THE CULT(1989)
METALLICA
METALLICA(1991)
NEVER SURRENDER
TRIUMPH(1983)
Purple Rain
PRINCE & THE REVOLUTION(1984)
CORRIDORS OF POWER
GARY MOORE(1982)
SOLDIER OF FORTUNE
LOUDNESS(1989)
ホントは第1回ということで、普通にスタジオ盤のオリジナル・アルバムにすべきなのかもしれませんが……。エレキ・ギターを始めたばかりの頃に、非常によく聴いたアルバムだし、黒のギブソン・レスポール・カスタム(トップページのやつね!)を買ったのも、このアルバムが少なからず影響してますかねぇ…。
とにかく7万回(ウソ)くらい聴きました。高校時代の中間テストの勉強のお供としては最適でした!!
ギタリストが奨めるんだから、必聴のギター・プレイが盛りだくさんなんだとお思いでしょうが、それだけではないところがこのライヴ・アルバムの良いところでして、どこか哀愁を帯びたフィル・ライノットのヴォーカルは痺れるし、ドラムのブライアン・ダウニーの超絶のプレイは筆舌しがたいほどです。
シン・リジィは、一応ブリティッシュ・ハード・ロック・バンドということになっていたと思うのですが、オリジナル・メンバーであるフィル・ライノット(Vo,B)とブライアン・ダウニー(Dr)はアイルランド人、スコット・ゴーハム(G)はアメリカ人で、イングランド人はブライアン・ロバートソン(G)しかいないじゃん!?“何じゃそれっ?”と、高校生の私が考えていたのは過去のことです(笑)。
まあそれはいいとして、これほど効果的なツイン・リード・ギターを私は他に知りません! まさに、“隙あらば!”とまで言いたくなるような、ハモるリード・ギターは圧巻です。両ギタリストともに、レスポール(ブライアンはカスタム、スコットはデラックスという違いはありますが)とマーシャル・アンプを使っていて、ブライトなトーンのブライアンと、やや暗い影を帯びたトーンのスコットの、そのコントラストも素晴らしい! トーンの印象とは逆の感もあるのですが、ブライアンの方がメランコリックなフレージング、スコットの方は明るい感じ(アメリカ人だからか!?)のフレージングという点も、おもしろいポイントです。
エレキ・ギターを始めて以来、“自分もいつかはこんなギター・ソロが弾けたらいいなぁ~!!”というプレイに何度か遭遇してきました。そういったプレイのおかげで、今日まで私はギターを弾き続けることができたのだと思います。このアルバムの「Dancing in the moonlight」のスコット・ゴーハムのギター・ソロは、まさにそれです。何というか、こう…、フレーズの斬りこみ方というかアプローチが、“これを俺は待っていたんだぁ~っ!!”という感じがします。テクニック的には別に特筆すべきことはないのですが、とてもCoolです! ぜひ聴いていただきたいと思います。
ちなみに、当時シン・リジィの前座バンドのメンバーだった、売れてない頃のヒューイ・ルイスがハーモニカ奏者として参加しているのは、ちょっとしたオマケですね。
(2012/1/8)
ヘヴィ・メタルの名盤というと必ず取りあげられるこのアルバム。え~と、私はリアル・タイムで経験しました。ギター講座の方にも出てきた例の友人が、ある日、“これはホントにスゲーよっ!!”と聴かせてくれたのです。で、自分でもソッコー買いに行きました。
これって日本発売は1981年なんですが、当時の私が一番ビックリしたこと。きっと、2012年現在では、クイズを出しても誰も正解できないと思うのですが……。ギタリストのランディ・ローズの音がね~、“こんなに歪ませるのってアリなの?”って思ったことです。今だとこれぐらいの歪みの量って普通というか、もっと歪ませているギタリストも大勢いますよね!? でも、ウブなギター少年の私にとっては、もうタブーの領域でした(笑)。個人的には、現在のハード・ロック、ヘヴィ・メタル系のギター・サウンドの基礎を創ったのがこのアルバムの、ランディのサウンドだと思っています。
当時のギター・キッズにとってはランディ・ローズのプレイは必修科目みたいなモノでして、私もその時にやっていたコピー・バンドでほとんどの曲をステージでやりました。あの音を創るのには苦労しましたよ。最終的にはディストーションの前にパラメトリック・イコライザーを強力にかけて、何とか形にしましたが……。
ランディ・ローズのプレイって独特でしてね。フィンガリングの滑らかさが重要なポイントだったりして、この辺りも他のロック・ギタリストとは一線を画していたところ。まあ、ガット・ギターをプレイするから、そこからの影響なんでしょうが。でもおかげで、左手がとても鍛えられました。何というか、ヴァイオリンっぽいんですよね。フレーズのアプローチが。
今でも、「Crazy Train」や「Mr.Crowley」はランディの名演として語り継がれていますが、私にはそれ以上に“とっておき”だと思っているプレイがあります。このコーナーの前回のシン・リジィの時にも書きましたが、“いつかこんなギター・ソロが……”と思っているプレイのことです。「Goodbye to Romance」のギター・ソロはそれにあたります。音楽って、結局、瞬間を捉えることの連続だと思うんですが、捉えてますよねぇ~!このプレイは。
ランディ・ローズはこの後、オジー・オズボーン・バンド名義でのセカンド・アルバムとなる『Diary of a Madman』を残し、セスナ機事故により1982年3月に他界してしまいますが、彼がそのまま活動を続けていたら、きっとまた名作を生み出していたことでしょう。非常に悔やまれます。
(2012/2/5)
レッド・ツェッペリンのアルバムでお奨めは?って人に訊かれるとスゲェ~迷うんですよね。普通は、あるアーティストのお奨めアルバムって、そのアーティストの中で自分が一番好きなのを挙げるんですけど、ツェッペリンはねぇ~、一番好きなのと人に奨めるべきアルバムは違うような気がするんですよ。雑誌とかに載ってるのは『Ⅳ』が多いのですかね? まあ、「天国への階段」も入ってますしねぇ~。私自身はあのアルバムは後半のタレる感じが好きではなくてですね、何かアルバムとしてお奨めする気にならないんですよ。
だからと言って、自分の心に素直になって、『In through the out door』とか言っちゃうと初めてレッド・ツェッペリンを聴く人に対しては非常に不親切な気がします。まあ、『Houses of the holy』だったらギリギリセーフって感じでありますが……。
正直言っちゃうとどれでも良いのかもしれません(笑)。評論家の間でもツェッペリンには駄作はないということになってるようですし……。
というわけで、『Ⅱ』にしましょう!! 大丈夫です!これなら間違いありません。発表は1969年で、もう40年以上が経過していますが、あんまり古さを感じません。っていうか、レッド・ツェッペリンの創り上げたハード・ロックの様式を、現在のバンド達もほとんどそのまま踏襲しちゃっているので、そう感じるのでしょう。それどころか、若い人達にとっては、最近のバンドの元ネタだってことが判ってより面白く感じられるかもしれません。
3大ロック・ギタリストと称されるうちの一人、ツェッペリンのリーダーであり偉大なソングライターでもあるジミー・ペイジは当時25歳。精神も肉体もまさに全盛期だったのでしょう。よくもまあ、個性の強い他の3人をまとめていたよな~!と思います。ツェッペリンの強みは、メンバーが全員凄腕だったってことなんですが、メンバーを強者揃いにしたからって上手くいくわけじゃないですからね、バンドってのは。世に出てきた“スーパー・バンド”なんて大抵長続きしませんでしたし、ほとんどがメンバーの実力の単純な足し算にさえ成功してません。でもツェッペリンは足し算どころか、かけ算になってますから(笑)。
ってなわけで、恒例となりつつあるギタリストの立場からして、“こんなソロが弾けたらイイなぁ~”のコーナーなんですが(えっ!?コーナーだったの?)、「Whole lotta love」のギター・ソロは、そのアプローチが見事ですね!! この格好良さってのはちょっと鳥肌でしょ!? とにかく、アルバムの最初から最後まで、テンションが下がらないで一気に聴けちゃうアルバムです!
(2012/3/4)
ギター開眼法でも触れていますが、私が最初に買った洋楽ロックアルバムです。一体これまで何回聴いたことでしょう!? 私は人前でギターを演奏するようになって30 年が経ちますが、その間何度も、「マイケル・シェンカーの影響受けてますよね!?」って言われてきました。最近はそうでもないような気がするんですが、きっとそうなんでしょ(笑)。確かに私がエレキ・ギターを始めてから、最初に完全コピーをした曲って、このアルバムに入っている「Armed and Ready」だと記憶していますから、“最初”ってのは後々引きずるもんなんでしょ!? いや、引きずると言うと何か悪い意味みたいですね。
実を言いますと、最もコピーしたことがあるギタリストってマイケルじゃありません。ランディ・ローズとエイドリアン・ヴァンデンバーグ(笑)なんです。ただ、この二人については「影響を受けてますよね!?」って言われたことが一度もありません!! だから自分としてはちょっと不思議な気もします。でも実はそれだけマイケルのギターってポピュラリティを持っているのかもしれません。知らず知らずに私は美味しいところを貰っているのでしょう。
マイケル・シェンカーが最初にブレイクしたのは、英国のハード・ロック・バンド “UFO”のリード・ギタリストだった時です。この当時も数々の名演を残しているのですが、彼は英語が上手く話せないことでメンバーとコミュニケーションが取れないことがストレスになっていき、それがドラッグへと走らせることになって、結局脱退してしまいます。この作品は、その後、紆余曲折の末、リハビリのための入院などを経て、1980年に発表されました。このジャケットには、『THE MICHAEL SCHENKER GROUP』としか記されていません。ですが当時は、洋楽には邦題が付けられるのが普通でしたので、『神(帰ってきたフライング・アロウ)』というお茶目な(?)タイトルが付いていました。フライング・アロウというのは彼の使っているギター、一般的にはフライングVとして知られているギターの俗称です。このギター、ボディだけ見れば“V”の形ですが、ギター全部、ネックやヘッドまで含めて見れば、“矢”のようにも見えるからです。しかし何故あえて“フライングV”にしないで、“フライング・アロウ”にしたのでしょうか? 語呂が良かったんでしょうかね。ついでに言えば、“神”の方も謎なんですが、当時のギター少年達にこのアルバムは熱狂的に受け容れられましたので、「マイケル=神」ということになってしまいました。きっとこれは日本だけに起きた現象でしょう(笑)。
前出の「Armed and Ready」と「In to the Arena」はハード・ロックの名曲と言って間違いありません! その情感豊かなフレージングと正確で強いピッキングは、まさにロック・ギターのお手本であるとも言えます。だから今回の“いつかこんなギター・ソロを!”には「Aremed and Ready」を挙げておきます。これほど起承転結が明確で説得力のあるギター・ソロはそうそうお目にかかれるモノではありません!!
(2012/4/8)
ジェフ・ベックはねぇ~、一番好きなんですよ。でもよぉ~く考えてみたら、私は彼の曲をステージで演奏したことがありませんでしたし、それと同時に一曲を完全コピーしたこともありません。まあ、ステージでやったことないことについては、彼の曲を演奏するには超強力なリズム・セクションが必要で、普通のアマチュアのコピー・バンドではそう簡単にはできないというのもありますが、私自身がコピーしたことないというのは、自分でも理由が判りません。もちろん、ところどころオイシいフレーズはコピーして、今でもたまにサラッと弾くことはありますが……。
何というかジェフ・ベックってタッチもフレーズも独特で、一生懸命そっくりにコピーしたところで、自分の技術が上達するのか!?という疑問があります。それが理由かな!?と今思いつきました(笑)。でもホントに17 ~24歳ぐらいの間は聴きまくりましたね。で、ジェフ・ベックはこの当時(1976年)は普通にピックで弾いておりました。現在のようにピックを使わなくなったのは、たしか1985年発表の『Flash』からだったと記憶しております。彼は今年で68歳で、未だに現役バリバリのギタリストですが、正直言って最近のアルバムを私は好きではありません。ギタリストとしてのベックは現在の方が進歩しているとは思いますが、単に一つのエンターテインメントとしての音楽として考えた時には、ピックを使っていた頃の方が普通に楽しめると思います。
この時代のモノでしたら、この作品の1年前の『Blow by Blow』の方が好きという人も多いかもしれませんが、いわゆる“フュージョン”スタイルになってからの2作目のこちらの方が完成度が高いと思います。
さて、先ほど17~24歳ぐらいの間は聴きまくりましたと書きましたが、ちょっとツラい思い出もありまして、私は上京したのは22歳の時で、何のあてもなくやってきたわけです。で、その当時一番聴いていたのがジェフ・ベックってわけでして……。だから、ベックを聴くとその当時の「不安だった日々」ってのが思い出されるんですよ。大学を中退してまで音楽をやろうと決意したのに、これから先どうなるのよ!?っていう気持ちを隠すためにベックを聴いていたわけではありませんが……。それが思い出されるのがイヤで、一時期ベックをあえて聴かないようにしていたこともあります。
私自身のギター・スタイルは、自分ではかなりベックを意識したモノだと思っておりますが、それほど人から言われたことありません。たま~に言われる程度です(笑)。ただ、ギター講座にも書いたことがある、「ギターにも息継ぎがあるでしょ!?」っていう考え方は、私はベックを聴いて学んだんですね。こういう感覚的なところを、とてもお手本にしているんだと思います。
恒例の“いつかこんなギター・ソロを”は、2曲目の「Come Dancing」を挙げておきます。そう、ロック・ギターってのはこういうアプローチをすべきなんですよっ!!
(2012/5/13)
先月のレビューで、“ジェフ・ベックが一番好き!”って書きましたが、ヴァン・ヘイレンもほとんど同じぐらい好きです。この2人は私が影響を受けたという意味では別格の存在であります。(敬礼!!) で、このコーナーではどちらのギタリストのアルバムもきっと複数枚になっちゃうだろうなあと思っているんですが、今回は『FAIR WARNING』を取り上げてみたいと思います。
エディ・ヴァン・ヘイレンはご存知のように数々の特殊奏法で有名です。ところで私は好きだと言っておきながら、それらの特殊奏法のほとんどをプレイしません(笑)。“ホントに好きなのか?影響を受けているのか?”というツッコミがあるかもしれませんが、イヤァ~、ホントなんですよ! っていうか一番影響を受けているのって、リフ・メイキングだったりバッキングなんです。
エディ・ヴァン・ヘイレンのギター・ソロがあまりにも衝撃的でカッコ良かったもんで、どうしてもそちらに注目が集まってしまいがちなんですが、彼のリフ・メイキングやバッキングってのも、私にとっては信じられないぐらいカッコ良いものでした!! 何というか“絶妙の間”があるんです。まあ、マネしてできるレベルのモノじゃない気もしますが……。音の空間を埋めるタイミングとでも言いましょうか、元々持っているリズム感とかがすさまじいんでしょうが、いつも“ハッと”させられます。
ヴァン・ヘイレンって、最初はエディ以外の3人のメンバーの評価が低かったんですよ。特に兄であるアレックス・ヴァン・ヘイレンのドラムは。でも本作辺りから、本領を発揮し出したのか、単純に成長したのか判りませんが、ベースのマイケル・アンソニーともども、かなり変態的でとても面白いプレイをするようになりました。私はヴァン・ヘイレンの来日公演を2回観ましたが、凄かったですよ!アレックスのドラム!! きっと、この4作目辺りが鍵だったような気がします。
「So this is love?」におけるギターのバッキングのメリハリと、リズムがまさに“切れ込む”という感じのソロ。凄いです。ギターもきっとこのくらい弾けたら楽しいんじゃないか!?と、若い頃ひたすら練習に明け暮れた記憶があります。
じゃあ恒例となっている、“いつかこんなギター・ソロが”はその曲なの!?って思われるかもしれませんが、イヤイヤ、これよりも更にとっておきのがあるんです。だいぶ前にブログの方でも触れたことがあるんですが、「Push comes to shove」のギターはソロだけと言わず、そのプレイすべてが最上級でしょう!! こんなプレイができたら、いつ死んでしまってもかまいません!! ロック・ギターをやっているのなら、絶対聴いておくべきプレイだと断言しましょう!
(2012/6/10)
これまでに取り上げてきたアルバムは、まあ~、ギター弾きが素晴らしいギター・プレイを聴いて、それを自分の糧にするために役に立つという感じのモノが多かったんですが、今回はちょっと趣向を変えまして、音楽としてもっとより総合的な要素を含んだモノを紹介しようと思い立ちました。もちろん、これまでに取り上げてきたアルバムは、ギターだけが良くって全体的にはイマイチ!って意味ではないですが(笑)。
ってなわけで、今回はRushです。実を言うと私、かなり曲創りの点では影響受けているかなぁ~!?と思っています。Rushというと『Permanent Waves』や『Moving Pictures』が代表作として知られていますが、この時代までのRushっていわゆる “プログレッシブ・ハード・ロック” という非常に困ったジャンルに属していまして、っていうか困っているのは私だけかもしれませんが(笑)、まあ簡単に言っちゃうと、あまり好きではないのです。断っておきますが、嫌いという意味ではなくて、たくさんある好きなアルバムの中には入っているけど、それほど重要ではないというくらいの話ですが。
で、ここで紹介する『Power Windows』なんですが、この作品の前作である『Grace unnder Pressure』も非常に好きなのでどちらにしようか悩みました。最終的に決定した理由が、「ジャケットが描きやすかったから!」ではないということを、キチンと言っておきたいと思います(笑)。違いますよっ!失礼ですね!!
ラッシュはバカテク・ベースでハイトーン・ヴォーカルのゲディ・リー、ギター・アレンジ命のアレックス・ライフソン、超絶技巧ドラムのニール・パートの個性的な3人からなるカナディアン・ロック・トリオです。前述のようにもともとは“プログレ・ハード”のバンドとして認知されていましたが、1982年発表の『Signals』あたりから、普通のモダンなロック・バンドへと変化し始め、そして『Grace unnder Pressure』でよりポップなアプローチになり、本作『Power Windows』でそのスタイルは完成したと言えましょう。ハイトーンだったゲディ・リーのヴォーカルは抑えた感じになり、楽曲もコンパクトになって、非常に聴きやすくなりました。もちろん、そうは言ってもプログレ・バンドだった名残は随所に散りばめられてはいますが……。もっとも、以前からのファンにはあまりウケがよろしくなかったように感じます。Rushの技巧的なプレイってのはバンド小僧達にとっては憧れの的であり、7分以上とかの大作がなくなったことに不満を言う人もたくさんいたと記憶しています。
しかしながら私にとっては、このモダンなロックになったRush ってのがむしろハマリました!! 楽曲の創りが非常に緻密なのは相変わらずでして、特にヴォーカルのメロディが良くなったと思います。この辺が後の私自身の曲創りに影響したのだと思っています。ついでですから(笑)、私の作品を聴いてみて下さいね。さて、今回は “いつかこんなギター・ソロが”はお休みです(笑)。うん、別にないもん、このアルバムには(笑)。っていうか、私、アレックス・ライフソンはソリストとして、そんなに認めていません。曲創りやバッキングのアレンジは見事ですがね。最初に音楽として総合的な要素を含んでいるモノって言ったじゃありませんか(笑)。一枚のロック・アルバムとして聴いて下さい。一応お奨めの楽曲を挙げておきますが、「Manhattan Project」と「Emotion Detector」ですね。きっとギターだけでなくアナタの音楽性全体の向上の糧になりますよ。
(2012/7/8)
こちらの勝手な都合により、2週連続で更新となったこのコーナー。毎週絵を描くの大変だぜってぇ~のっ!!というわけで、先週何枚か選んでおいたので、今週はそこから選漏れしたのを紹介しようかと思っていたのですが、今朝起きたら気が変わってまったく新規に選ぶことにしました。ってなわけで意外に思われるかもしれませんが、AC/DCの『Highway to Hell』(1979年)です。
このところ毎日暑いので、こういったハード・ドライヴィングな感じはピッタリだと思いましたが、冷静に考えるとAC/DCって別に季節を問わずカッコイイですな! いついかなる時にもオッケーな感じです。さすがに失恋した時はどうかとも思いますが……(笑)。
AC/DCと言うとどうしてもリード・ギターのアンガス・ヤングのイメージが強いと思われますが、本作が遺作となってしまったボン・スコットのヴォーカルが私は大好きです。実は次作、ヴォーカルがブライアン・ジョンソンに変わってからのアルバム『Back in Black』が最も売れたアルバムですが、私はこちらの方がお気に入りです。現在でも、「Highway to Hell」、「Girls got Rhythm」、「Shot down in Flames」などの楽曲はスポーツ番組のBGM等で頻繁に使われ続けています。ですからこのアルバムを聴いたら、「あっ!?この曲ってAC/DCだったのね!」というケースは非常に多いかもしれません。
このアルバムには特に思い入れがありまして、高校生当時、私は茨城県日立市の出身なんですが、スコーピオンズ(!)の東京公演を観に行った折りに、生涯で初めて買った輸入盤アルバムなのです。別に日本盤も出ていたのですが、両者の価格差が1000円近くありまして、当時の高校生にとってそれって決して小さくないモノだったのです。以降聴きまくりまして、もちろんその後CDに買い換えて現在に至っております。
アンガス・ヤングのギターには、実は私、非常に影響を受けています。あまり語られていないような気がするんですが、彼のヴィブラートは凄いです。フレージングがブルーズを基調としていてやや地味な印象があるので、いわゆるギター・キッズのアンテナに引っかかりにくいのかもしれませんが、そのサウンドも素晴らしいです。何というか音が見事に“立って”いるのです。エレキ・ギターのオーヴァー・ドライヴ・サウンドのお手本と言っても過言ではありません。
今回も“いつかこんなギター・ソロを”は特にありません。ですが、ギター・リフやギター・サウンドのカッコよさや、ドライヴ感といったモノがこのアルバムには満載であります。(敬礼!!) その世界的な高評価とはうらはらに、何故か日本ではイマイチな感じのAC/DCですが、これを機に聴いてみて下さい。きっとそのギター・プレイに学ぶところがたくさんあると思いますよ!!
(2012/7/15)
これまで紹介してきたアルバムって70年代と80年代ばかりで、このオッサンの嗜好(思考)はもう30年は止まってるんだな!?って感じる人もいると思うのです。ええ、実際のところそれは事実なのかもしれませんが(笑)、一応反論しておきますね。私は確かにそのCDコレクションのほとんどが、70~80年代のものなんですが、実を言うとそのほとんどは今聴くと、
「ダッセェ~!!」
と思います(笑)。私の創る楽曲なども明らかにその時代の影響を受けていますが、じゃあホントに70年代って最高だったのか!?と問われると、微妙だというのが正直なところです。多分、レッド・ツェッペリンやピンク・フロイドなどの偉大すぎるアーティストがいたせいで、70年代は美化されている気がするのです。でもやっぱりいつの時代であろうと、そういった偉大な一握りのアーティスト以外はロクなモノではない!!というのが真実であると考えています。ってなわけで、70年代や80年代はすべて好きってワケではないことを強調しておきます。ここで紹介するモノは、言ってみればその時代だから好きなのではなく、これから何十年先に聴いても、それなりの説得力があるんじゃないか!?と私が勝手に思っているモノなのです。
と前置きが非常に長くなりましたが、今回は音楽マニアの心の友とも言えるアーティスト(笑)、トッド・ラングレンの『Todd』を紹介します。1973年発表です。
トッド・ラングレンの名前は知っているけど、実際には聴いたことがない!っていう音楽ファンは多いような気がします。まあ私の勝手な想像なんですが、トッド・ラングレンを聴いてみようかな!?と勇んでCDショップに行ってみたものの、その作品数が余りにも多くてどれを買ったら良いのか判らない!!ってケースもあるんじゃないかと。というわけで、ここは私が指針を示してあげようかな!?と、要らぬお節介をしようと立ち上がったワケであります。(敬礼!!)
そう言っておきながら、一般のレビューとかではベストだと言われているわけではないモノを挙げているような気もしますが(笑)、ロック・ファンを自認するのであるなら、このアルバムが楽しめないワケがないと自信を持ってお奨めします。もう才能の洪水です。ワケ判りません。普通のアーティストが一生かかってやり遂げる以上の仕事を、このアルバム1枚きりで成し遂げていると言っても過言ではありません。ロックのすべてがここにありますし、「これってラップじゃね!?」と言えるような作品すらあります。まあ、
「グダグダ言わずに聴けよっ!!」
と今回は強気に出てみましょう(笑)。バライティーに富み過ぎて散漫な印象を受けるかもしれませんが、逆に考えれば絶対に好きな曲が見つかるはずです。
今回も“いつかこんなギター・ソロが”はお休みなんですが(笑)、“いつかこんな曲が書けたら”という曲を紹介します。「A Dream goes on forever」がその曲です。実はこの曲、私が知っているすべてのロック・ポップスで一番好きな曲かもしれません。っていうか、この1曲のためにこのアルバムを買っても良いでしょう!!
(2012/7/29)
全体的に見るとこのコーナーは、「ロック・ギタリスト必聴のアルバム!!」って感じにしようと企てていたんですが、意外とそうでもないかな!?って気がしてきましたので、ちょっと流れを戻してみようかと思います。とはいえ、相変わらず70~80年代のモノばかり出てきてしまうのは、私の感性がそこで止まっているからかなぁ~!?とか悩んでしまうことがあります。現代に生きるはず(!?)の現役ミュージシャンとしては、果たしてそれでいいのか!?という疑問が出てきてしまいますな。しかしながら、現代のモノを無理矢理好きになって推薦するワケにもいきませんので……、っていうか、ここで紹介したモノって大抵、輸入盤とかだと廉価版で出ていますから、お買い得ですよ!!(笑)
というわけでWhitesnakeです。別に私はデイヴィッド・カヴァデールのヴォーカルは好きではありません。むしろ、“暑苦しいなぁ~!”と思うことの方が多いくらいです。しかしながら、ジョン・サイクスのギターはかなり好きです。私自身も黒いレスポール・カスタムを長年メイン・ギターとして使用していることもあり、 「ジョン・サイクス好きでしょ!?」って言われたことが何度もあります。直接的にフレーズをコピーしたことはあまりありませんが、彼のソロのアプローチやドライヴ感は、若い頃にかなり参考にしていたことは否定しませんよ。
このアルバムは、デイヴィッド・カヴァデール(Vo)、ジョン・サイクス(G)、ニール・マーレイ(B)、エインズレー・ダンバー(Dr)という強力なメンバーによってレコーディングされ、全米でも大ヒット!! 私も当時、愛聴盤でした。で、続くワールド・ツアーの一環として来日公演も果たしまして、私は観に行きました。ところが、この時にメンバーはカヴァーデル以外総入れ替え(笑)でして、ヴィヴィアン・キャンベル(G)、エイドリアン・ヴァンデンバーグ(G)、ルディ・サーゾ(B)、トミー・アルドリッチ(Dr)となっていまして、その公演は散々でした。はっきり言って鑑賞に堪えうるプレイをしていたのはヴィヴィアンだけ!! ルディとトミーはド下手!!って印象しかありませんでした。一時期トミーってメタル・ファンの間で評価が高かったと思うんですが、私にはタイム感・リズム感メチャクチャのドタバタ・ドラムとしか思えませんな。ああ、思い出すだけで腹が立つ!!(笑)
お奨めアルバムを紹介するコーナーだってのに、腹を立ててしまってスイマセン。まあ結局このアルバムって、ジョン・サイクスのおかげで売れたんですよ。実際、サイクスのプレイはキレキレです。この後、サイクスはブルー・マーダーを結成したりソロになったりしていくんですが、やたらワウワウ・ペダルを使うようになって、何かねぇ~、キレが失われていったと私は思っています。このアルバムのプレイこそがサイクスの“ベスト”です。私が保証します!! 「Whitesnakeってダサいじゃん!!」って思っているそこのアナタ!! このアルバムだけは、サイクスのおかげでそんなことありません。ぜひ聴いてみて下さい。
(2012/8/26)
このところ更新のペースが緩やかになってしまっていて、期待している方々がいるのかどうか!?イマイチ微妙ですが、申し訳ございません!! というワケで、“まぁ~た70年代かよっ!?”という声が聞こえてくるのは重々承知なんですが、イイものは何年経ってもやっぱりイイ!!ってことでどうぞご理解下さい。
さて、Pink Floydと言いますと、一番有名なアルバムは『Dark side of the moon』(狂気)かと思われます。確かにあのアルバムの過剰とまで言えるアイデアの宝庫ぶりはすさまじいのですが、私の印象としては“ややコンパクト”な感じです。あのアルバムを掴まえて“ややコンパクト”とは私の傍若無人ぶりもここに極まれり!!って感じもしますが、Pink Floydの他のアルバムと較べると私自身そう感じるのですよ。
そういうワケで、私が人にPink Floydのアルバムをお薦めするとすれば……、イヤァ~、きっと『Dark side of the moon』でも全然問題ないんですが(笑)、この『Wish you were here』になります。何というかスケール感が素晴らしい上に、ヴォーカル・ラインがとても美しく、最初に聴いた時に、「これってビートルズだな!」と思いました。発表当時に聴いたワケではなくて、高校1年の時に初めて聴いたんですが、もの凄い衝撃でした!! 当時私は思いっきりヘヴィ・メタル少年だったのですが(笑)、それ以外のロックもすすんで聴くようになる、きっかけとなったアルバムでもあります。(敬礼!!)
ギタリストのデイブ・ギルモアは、もちろんかなりの評価を受けていますが、それでも全然過小評価という気がします。これほどエモーショナルに弾けるギタリストは、そうそう見あたりませんな!! まあ、テクニック指向のギタリスト達には見向きもされていないんでしょうが……。
ちなみに私は、デイブ・ギルモアの影響を受けまくっているようです(笑)。Pink Floydというバンドの特性上、コピー・バンドで演奏する類のモノではないので、彼のギターを完全コピーしたなどという記憶はないのですが、タマに自分でも笑ってしまうほど似ていたりします。っていうか友人に、
「お前って、実は一番似てるのはギルモアじゃね!?」
って言われたことさえあります。加えて映像で観ると、弾いている姿まで似ているそうです。確かにヴィブラートをかける時の左手の動きとかはそっくりかもしれません。このところ、“いつかこんなギター・ソロを!”を挙げていませんでしたが、何気にギター・アルバムではないこのアルバムから挙げてみたいと思います(笑)。
アルバム冒頭の歌が入ってくるまでの「Shine on you crazy diamond」のギター・ソロ!! ギターを弾いているんなら一度と言わず何度でも聴くべきです!! これを聴いて何にも感じないんなら、ギター、ヤメれば!?
ギルモアの話に終始している感じですが、アルバム全体でも素晴らしいアルバムです。とにかくロック好きを自認するのであれば、このCDがアナタの部屋のCDラックに置いていないのはちょっと問題かもしれません(笑)。ない人はソッコー買いに行くのが吉です。っていうか、これまでにこのコーナーで紹介してきたアルバムの中では、きっと一番良いアルバムです!! 幸運にもリスニング・ルームを持っている人は大音量で、そうでない人はヘッドフォンで真剣に聴くように!!(笑) でも、間違っても“ランダム再生”とかしちゃダメよ! ちゃんと曲順通りに聴きましょうね!
(2012/9/16)
ってなワケで、毎回絵を描くのが大変だって画伯がのたまわっているんですが(笑)、今回もこれは大変かも!? まあそれはイイとして、SCORPIONSの『BLACKOUT』ですよ~ん。ご存知の方も多いと思われますが、マイケル・シェンカーの兄のルドルフ・シェンカー(リズムギター及び作曲)をリーダーとする、ドイツの正統派ヘヴィ・メタル・バンドであり、本作は世界中で大ヒットとなりました。
この作品から“アメリカナイズされた”とかの批判も同時に受けることになるんですが、私からすると、アメリカナイズがどうこうというより、単に楽曲の質が上がったという風に捉えていますけどね。うん、このアルバムは非常に垢抜けたというか、粒ぞろいの楽曲が揃っていまして、かなり飽きがこない創りになっています。
実を言いますとSCORPIONSは、私が生涯で初めて生でライブを観た洋楽バンドです。この『BLACKOUT』のツアーでした!! 忘れもしない厚生年金会館です。高校2年生の私にはかなりの衝撃でした。で、実はこのアルバムはそれ以外にもいろいろと絡んでまして、その後、当時コピー・バンドをやっていたのですが、このアルバムのタイトル・チューンでもある「Blackout」をやることなりました。当時の私はYAMAHA SF-7000しかギターを持っていませんでしたが、このアルバムのイントロのリード・ギターの、
「ぎゅうぅ~んっ!!」
という6弦開放のアームダウンはちょっと必須です。まさかマイケル・シェンカーのようにネックをぐいっと曲げるわけにもいきません(笑)。というワケで、私はアーム付きのギターを手に入れることにしました。お金はそんなにありませんので、国産ストラトの中古とかを考えていました。でまあ、ワザワザお茶の水まで行って、いろいろと探したわけですが、ストラトの中古には今一つピンとくるモノがありませんでした。
ところが、神の導きかネタなのか!?(笑)当時トーカイから“ファイブスター”という、高崎晃氏の愛器“ランダムスター”のパクリのようなギターが出ていまして、それの真っ赤なワン・ハムバッカー・モデル“傷有り45%引き”処分品で3万3千円というのが目に止まりましてね……。何と!!それを買っちゃったんですよ(笑)。予算が4万円以内ってことでちょうど良かったし。え~と、ただその「Blackout」1曲のために買いましたよ。何故ならそのギターは1回のライヴで使われただけで、数か月後には後輩に売ってしまったからです(笑)。え~と、自分の手元には半年あったかなぁ~!?って感じでした。今ではすっかり“レスポール弾きのオッサン”な私ですが、ちょっとだけ黒歴史かもしれません。イヤァ~、若かったんですよ!
というワケで、アルバムの内容に全然触れてねぇ~じゃん!?という声が聞こえてきますので書きますが、「健全なヘヴィ・メタル」という感じかな!? 楽曲のクオリティが非常に高く、いわゆるヘヴィ・メタル・ファンじゃなくとも充分に楽しめるアルバムとなっています。「Blackout」、「Dynamaite」、「No one like you」あたりが有名ですが、私はねぇ~、「Can't live without you」が特にお気に入りです。健全なヘヴィ・メタル(何か気に入っちゃったよ!)を堪能してください。
(2012/10/14)
バカバカしくも、大体月イチのペースで更新されているこのコーナー。画伯のイラストを楽しみにしている方もきっといると思います。(いねぇ~よっ!!) 今回は、1984年にアメリカのみならず全世界で大ヒットした、超絶ポップ・ロック・アルバム、The Carsの『Heartbeat City』を紹介します。
「You Might Think」のビデオは年配の方ならきっと印象に残っているはずだと思います。これって何と第1回のMTVアウォードを受賞しているんですよ!! マイケル・ジャクソンの「Thriller」を押しのけて……。ちなみに私はこのアルバムが発売されて直ぐに買ったのですが、当時ヘヴィ・メタルのコピーバンドをやっていた私としては、友人達から白い目で見られた覚えがあります。ある意味、私がヘヴィ・メタル以外のアルバムも買うようになるきっかけになったアルバムでもありました。
それどころか、私はリック・オケイセクのソング・ライティングに相当の影響を受けていると思ってます。何というかメロディ・センスとかコード・ワークとか……。私の楽曲を聴いても、簡単には判らないかもしれないですが、私にはリック・オケイセクの血が流れている気がします(んなワケねぇ~だろっ!?)。っていうか彼のルックスも声も大変好きなのでした。
本アルバムも、珠玉の作品が目白押しであります。(敬礼!!) 大ヒットした「Drive」や「You Might Think」はもちろんですが、「Magic」、「Hello Again」、「Lookinng for Love」、「Why can't I have You」、「It's not the Night」、「Heartbeat City」……。オイオイ、好きな曲ばっかりじゃん!?(笑)
以前、ブログや当コーナーで、“70~80年代は良いとされているけど、今聴くとダサイのもけっこうある!!”と書きましたが、これは全然そんなことなく、いついかなる時に聴いても私はハッピーになれます。きっとあと30年ぐらいは大丈夫なんじゃないかな!?と思っています。まあ当然のように今回も“いつかこんなギター・ソロを”のコーナーはお休みなんですが(って、それはコーナーなのか!?)、ギターのエリオット・イーストンのプレイはけっこう聴き所がたくさんあります。このアルバム発売当時のある雑誌のレビューで、彼のギターを「ロボット・ギター」と評していたのを見た覚えがあるのですが、上手いこと言うなぁ~!と、ギター青年鈴木は思いました。実は私、常々思っていることがありまして、バンドのギタリストを評する時に、「ツボを得ているプレイ」という表現を、U2のエッジの登場以降頻繁に見かけるようになりました。もちろん、エッジのプレイはまさにそのとおり!!なんですが、それ以外については、単に、
「コイツ、下手なだけじゃん!!」
というのも少なくない気がします。久々の暴言が出ましたね!(笑) でも、エリオットは基礎もしっかりしていまして、真の「ツボを得ているプレイ」を聴かせてくれます。ちなみにこのアルバムは “The Cars”ってこともあり、ドライブのお伴には最高ですよ! というワケで、これを読んだら、とっととCDショップに出かけるのが賢明かと思われます!!
(2012/11/11)
きっとみんなも楽しみにしていると、勝手に私が思っているこのコーナーなんですが、他に例を見ないという意味、そして実用性という意味でもかなりのモノだと自負しております(笑)。しかしながら今回は……、絵を描くのが大変じゃん!!(笑) イヤ、こっちの話ですがね……。
さて、私はエアロスミスが大好きです。ライヴも何度か観ています。じゃあ、音楽的影響を受けているのか!?と言われますと、多分それほどでもありません。でも実を言うとスティーヴン・タイラーのヴォーカルってロック界では最高峰だと思っています。そう、私はスティーヴンのヴォーカルが大好きです。バンドを組むとして誰を選んでもイイ!!と言われたら、私はヴォーカルに迷わずスティーヴンを選びます。
エアロスミスが好きと言うと、私が本来ギタリストであることからか、ギタリストのジョー・ペリーも好きなんだろう!?と思われがちなんですが、はっきり言いましょう!!「ジョー・ペリーはヘタクソで私は聴く度にイライラします!!」
でも、一応言っておきますが、「見た目の格好良さでは群を抜いている!!」とも同時に思っています。
世間的な評価では、エアロスミスは“スティーヴンとジョーの黄金コンビ”の成せるワザであるということになっています。でも私は全然そうは思っていません。エアロスミスが素晴らしいのは、ほとんどがスティーヴンのヴォーカリストとしての技量とミュージシャンとしての卓越したセンスのおかげです。いや、絶対そうですって!!ジョーなんて別にいらないって!! ホラね!?他に例を見ないアルバム・レビューでしょ!?(笑)
もちろん、ジョーにもイイところはあるのかな!?とか思って真剣に聴いたこともあるんですけどね。うん、やっぱヘタだよ。上手く伝わらないかもしれませんが、ホントに優れた音楽家であったら、あのテクニックのショボさをそのままにしておいて平気なワケないじゃん!?とか思います。逆に言えば、あの未完成なテクニックでOKというのであれば、そこまでのギタリストだってことじゃん!? 感性が優れているのは認めないでもないですが、テクニックがもっとあれば、その感性の素晴らしさをもっと表現できるようになるだろうに……。
と、ジョーの悪口ばっかり書いているけど、このコーナーは“お奨めアルバム”を紹介するモノであって、“辛口レビュー”ではありませんね(笑)。というワケで、エアロスミスには偉大なるスティーヴン・タイラーのおかげで、名盤と呼べるモノがたくさんあります。彼らのアルバムも当コーナーでは複数枚登場することが予想されますが、今回は、1975年発表の3rdアルバム『Toys in the Attic』を挙げておきましょう。タイトル・チューンから始まる疾走感抜群のハードロックを堪能して下さい。そしてそれらのハードロックだけではなく、アルバム最後のバラード、「You see me crying」でのスティーヴンのヴォーカルに涙すると、もう“ロック・フルコース”って感じです。で、「いつかこんなギター・ソロを!」のコーナーは当然のようにお休みです。これだけジョー・ペリーをケナしておいて、あったらビックリでしょ!?(笑) もっともギタリストはもう一人、ブラッド・ウィットフォードもいるワケですが……。ってなワケで、ジョー・ペリー・ファンからカミソリ送られたらどうしましょ!?って感じの鈴木がお送りしました!!
(2012/12/9)
さて、始めた時には非常に無謀な企画と思われた当コーナーですが、意外と続いていますね。だからと言って世間にその存在を完全に認知されたワケではもちろんありませんけど(笑)。 今回は、以前、“言いたいかも”でも取り上げたことがあるアルバムです。しかしながら、実は自分でも思っていることなんですが、私のブログってミュージシャンのクセに、特定のミュージシャンやアルバムについて話題にすることが少ないですよね!? “ですよね!?”とか他人に同意を要求してんじゃねぇ~よっ!って感じですが……。
まあ、そういった数少ない例であることからも、私がこのアルバムに対して敬意を抱いていることがお判り頂けるかと思います。1972年発表のDavid Bowie『Ziggy Stardust』がそのアルバムです。世間一般の評価も大変高くて、ロック史上の金字塔でしょう!
このアルバムについては、聴きどころがどうとか、どういう態度で臨むべきかとかそういったことはどうでもイイです。とにかく聴いてみなさい!!っていうか、ロック好きだったら持ってなきゃヤバイでしょ!?モグリでしょって感じですし、
「持ってるけどあんまり好きじゃないんだよねぇ~!?」
って人がいたら、どうしてそうなるのか小一時間問い詰めたくなりますね。もっとも、納得のいく説明なんてされた日にゃ、私のムダな人生観自体がひっくり返されちゃうかもしれませんが……。
とにかくもう最初から最後まで、才能というか閃きの連続です。アンタ、これは“考えて”創れるものではありません。もうほとんど“おかしいだろっ!!”ってツッコミを入れたくなります。
ちなみにこのアルバムに関連する無駄話を。私がバンドをやっていたころ、対バンにこのアルバムからのカバーを演奏するバンドってのがけっこういたのですが、どいつもコイツも「Suffragette City」なんですよ!! え~とね、このアルバムから1曲だけ選んでカバーする曲が「Suffragette City」だとね、一番好きな曲っていうより“一番演奏しやすい曲だから!”って感じがどうしてもしてしまうんですよ。「Five Years」とか「Starman」とかをやった上で「Suffragette City」も演奏するってのなら文句はないですけどね。David Bowieをカバーしました!!っていつも「Suffragette City」ではね……。「ハイハイ、またかよ!?」って感じで、いつも私はウンザリしていました。
ってなワケで、このアルバムは鈴木が何と言おうと、ただひたすら“聴けばいい!!”のですが、一応私が一番好きなのは「Lady Stardust」かな!? CDで発売されてからはボーナス・トラックが入ってまして、その中では、「John,I'm Only Dancing」が隠れた名曲だと思います。
そういうワケで、ほとんど内容についての具体的な説明がありませんが、そういうのはDavid Bowieのマニアの方々のサイトでも見て頂くとして(笑)、とにかく持っていない人は買いに行くべきです。っていうか、私は、「ジャケットどうすんのよ!?」ってことでアタマがいっぱいなのです!!
(2013/1/6)
さて、みなさんお待ちかねの“聴くといいかも”です。えっ!?誰も待ってないって!?またまたご冗談を! ってなワケで、当コーナーも16回目ですよ。自分でも感無量です。イヤ、もちろん当コーナーのバカバカしさにですけど……。
Diamond Headという名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれません。その昔、このバンドの曲をメタリカがカバーしていて、ラーズ・ウルリッヒが彼らを絶賛していたからです。メタリカのブレイクとともに一時的にかなりDiamond Headは注目されました。
今回お奨めする『CANTERBURY』は、'83年にリリースされました。そして私は……、ホント声を大にして言っておきたいですが、当時高校3年生であったにもかかわらず、このアルバムを予約して発売日に買いました。果たして'83年当時、このアルバムを予約して買った高校生が何人いたことでしょう!? きっと日本全国で13人とかそんなもんでしょう(笑)。
どうして予約してまで買ったのか!? このアルバムはメジャー・デビュー後2枚目のアルバムなのですが、メジャー・デビュー初のアルバムとなる、『Living on....Borrowed time』を愛聴していたからです。ですから私にとって、このアルバムは“待ちに待った”アルバムだったんですよ!!
で、本作は、というか、Diamond Headは、メタリカ・ファンがメタリカのようなサウンドを期待して聴いたりすると、思いっきり肩すかしを喰らうんじゃないかと思います。一応Diamond Headは“ヘヴィ・メタル”にカテゴライズされていましたけどね。でも全然ヘヴィ・メタルではありません。ハード・ロックと言うことさえためらわれます。単純にサウンドだけでどんなバンドに近いかというと、U2とかレッド・ツェッペリンあたりかな!?
さて、このアルバムを当コーナーに持ち出してくるぐらいだから、私は愛聴しまくっていました。もう7万回ぐらいは聴いています。で、このアルバムの発表当時、音楽仲間の友人達に聴かせてみましたが、はっきり言って全然評判が良くなかったです(笑)。っていうか、世間的にもこのバンドの良さにまったく気づいてなくて話題にもならず……なので、後にラーズ・ウルリッヒによってこのバンドが注目されるようになった時、
「今さら気づいたのかよ!?お前等バカじゃん!?」
って感じで私は内心大いばりでした。フッフッフッ! 私は世間を先取りしていたのです!! もっともラーズのおかげで評判になったものの、実際にみんながホントにDiamond Headを良いと思って聴いていたかは疑問です。多分半信半疑で聴いていた人がほとんどなんじゃないかと思っています。
ですから今ここで、ラーズ・ウルリッヒなどはまったく関係なく、ただ一枚のロック・アルバムとして聴いてみることを強力にお奨めするのです。当コーナーで採りあげたアルバムの中では、間違いなくセールス的には最低です。それどころかヒット・アルバムでさえありません。でもきっと何かを感じ取れるはず! 今回もお奨めのギター・プレイはありません。実を言うとこのアルバムのギター・プレイはけっこう歯痒いです(笑)。でも、「Ishmael」を聴いてみて下さい!! 延々と続く7拍子の先に、きっと何かが見えてくると思います。私はこのアルバムの発表から30年ず~っと、この7拍子の中を泳いでいる気がします。
(2013/2/11)
イヤァ~、何を取り挙げようかず~っとCDラックを眺めてたんですよ。で、まあこれだけあるのにはっきりと “いつでも聴きたいっ!!”と断言できるアルバムって実は非常に少ないですな。だってウチには2000枚ぐらいCDあるんですけどね。いいとこ50枚ぐらいなんじゃないですかね!?いつ聴いてもOKな感じのアルバムって(笑)。
で、取り挙げたいアルバムはすぐに思いつくんですが、もう既に取り挙げたアーティストのモノも多いんですよ。でもまだそれは時期尚早ですよね!? って自分のサイトなんだから別に好きにすればイイじゃん!?って感じですが、30枚を超えたぐらいからにしようかな!?とか勝手に思ってます。
で、ロックを聴いているのなら……、まあギターしか聴かないような人は別にイイですが……、このJeff Buckleyの1994年発表の『Grace』は聴いておくべきです。彼は1997年にセカンド・アルバム制作中に川で水泳中に溺死していますので、存命中のオリジナル・アルバムと言えるのは実はこのアルバムただ1枚なんです。ちなみに、事故死とされていますが自殺説もあって真相は闇の中です。こう言っては何ですが、アーティストは死んでしまったが故に、その後、評価が上がることがあると思います。まあ、誰とは言いませんが(笑)、志半ばにして亡くなったアーティストの評価は、概ね過大評価のような気がします。
しかしながら、もしJeff Buckleyがまだ生きていて、この『Grace』以後20 枚の駄作アルバムを出していたとしても……、『Grace』が名作だという評価は揺るがないと私は思っています。Jeff Buckleyの偉大なる評価は、彼が死んでしまったこととはきっと関係ありませんよ!
私はこのアルバムは発表当時にすぐ買ったのですが、当時のレビューで、
「声が天から降ってくるような歌唱力」
ってのがありまして、それが言い得て妙だと思いまして、大変記憶に残っています。当コーナーでアルバムを紹介する際に、“とにかく聴くべき”だの“つべこべ言わずに聴け”だのというような、あまり論理的でない奨め方をしがちなのですが(笑)、このアルバムこそまさにそう書きたい気持ちであります。(敬礼!!) このアルバムに何も感じないようではアナタの感性は問題かもしれません。億が一、「実は好きじゃないかも!?」とか「別に何も感じない!」とかいう場合は、決して他人にそれを言わない方がイイかもしれません。アナタの感性を疑われてしまうことでしょう。とにかくソッコー買いに出かけるのが吉。これまでもウソを書いてきたつもりはナイですが、これはホントにお奨めです!
(2013/3/10)
さてお待ちかね(?)、聴くといいかもです。今回は何故かブログの方で進捗状況をムダに報告したりしてしまいました。これでは期待感もムダに高まりますね!? さて、今回はどのアルバムにするか決定に時間がかかりました。そのおかげで久しぶりに、「音楽鑑賞」をしましたね。ここ数年、こんなにCDをじっくり長時間聴いたことはありませんでしたよ。私のよろしくないところなんですが、音楽を普通に楽しんで聴くということが上手くできないんです。若い頃はそうでもなかったんですが、このところはムダに自分も創り手であるという意識が先に来てしまいまして、いつの間にか分析してるんです。でも今回は選んだアルバムの中から、
「一番気持ちよく聴けるモノを取りあげる!!」
というスタンスで聴きましたので、非常にリラックスして音楽を楽しめました。こういうのもイイもんです。っていうか、これが普通か!?(笑)
というワケで、最終的には3枚にまで絞りました。どのみち、その3枚はいずれこのコーナーに必ず登場することでしょうけど。で、どれにしようか悩んだのですが、このところメタル系のアルバムを取りあげていませんでしたので(3枚のアルバムがジャンル的にバラバラだったのよ!)、ジューダス・プリーストにします!! まあ避けられないでしょ!?(笑)
『Screaming for Vengeance』(邦題:「復讐の叫び」)は1982年発表のアルバムです。このアルバムの前作『Point of Entry』はアメリカではけっこう売れたのですが、英国や日本ではかなり不評でした。私はけっこう好きですけどね(笑)。前作を聴いて、楽曲が非常にコンパクトになり、“ジューダスはどないなってんねん!?”と誰もが思っていたところへ、ガツ~ン!!と脳天直撃されるかのように、様式美のジューダスが帰ってきたのでした。私は高校2年だな。ホント、このアルバムを最初に友人の家で聴いた時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。
ジューダスの良さとは!?って考えた時に私がまず思うのは……、楽曲におけるアイデアの使い方かな!? 何というかアイデアを出し惜しみしないんですね。つまり膨らませれば2、3曲になりそうなアイデアを1曲に惜しげもなく使っちゃう!!みたいな感じです。そんな彼らの姿勢が色濃くこのアルバムには出ていると思われます。特にアルバムの出だしから3曲目ぐらいまでの疾走感というかドライブ感はすさまじいモノがあります。
彼らはその後のヘヴィ・メタル・バンド達に絶大なる影響を与えるのですが……、その彼らのフォロワー達のサウンドを聴く度に思ったことを書いておきます。ジューダス・プリーストのフォロワー達は……、「ああ!?ジューダスを聴いて創ったのね!?」というのが直ぐに判ってしまいます。さて、ここで問題です(笑)。ジューダス・プリーストはジューダス・プリーストの音楽を創るために何を聴いたのでしょうか!? 賢い人なら気づくはずです。ジューダス・プリーストはジューダス・プリーストの音楽を創るために、自分達の作品を繰り返し聴いていたのか!?そんなことはナイはずですわ!! だからフォロワー達はもっと頑張りなさいね!!とか偉そうに言ってみましょう。まあ、逆に言えば
“ジューダスさえ聴いていれば、それなりのモノができてしまうほどに、素晴らしいお手本なのだ!!”
という考え方もできますけどね。余計な話だったかもしれませんね。
というワケで……、様式美のオリジナルを堪能してください!!
(2013/4/7)
さぁ~て、“聴くといいかも”ですよぉ~。最近このページの画像が多くなってしまった関係で、後半の画像がロードされるまで時間がちょっとかかりますね!? で、そのタイムラグがよりいっそう“ガッカリ感”を醸し出しますね。イヤァ~、イイ感じですね(笑)。と自画自賛しておいて……。
今回はロバート・プラントを取りあげます。言わずと知れたレッド・ツェッペリンのヴォーカリストで、彼のソロ3作目(ミニ・アルバムを入れると4作目)『NOW AND ZEN』(1988年発表)であります。(敬礼!!)
このアルバムは……、とても“ウエット”な感じというか、私個人としましては、このアルバムを聴く度に気分が“夏の夕暮れ時”になるんです。え~と、私は基本的に“夕暮れ時”ってのは好きではないのですが、夏だけは許せるかな!? だから“夏の夕暮れ時”ってのは肯定的な意味なんですけど……。音創りとしては、私の大好きなプロデューサー、Tim Palmerによるモノで、けっこう当時としては最先端でゴージャスな感じでもあるんですが、全体を覆うしっとり感がイイ感じで“悪ハデ”になるのを抑えています。
さて、ロバート・プラントのソロ・アルバムだからギターについてはあまり書かないんじゃね!?と思われますが……。違うんだなっ、それが!! このアルバムのDoug Boyleというギタリストのプレイは……、もうほとんど、
“ストラトキャスターってのはこう弾くんだよっ!!”
って感じです。とにかく、ストラトキャスターというギターの魅力を完璧に引き出しています。あのですねぇ~、実はいつも疑問に思っていることがあるんですよ! 何というか、「ストラトキャスターでも太い音を出す!!」ということに拘っている人ってのがいるんですね。以前にも当ホームページでちょこっと書いたことがあるんですが、「太い音=良い音」みたいな誤解があるような気がします。あのさぁ~、ストラトで太い音を出すことに何か意味あるか!? 太い音を出したいのならそもそもストラトっていう選択肢が間違っていないか!?
ストラトってシングルコイルならではの軽さというか、「シャリ~ン!!」と鳴るからイイんですよ!! で、このアルバムのギターはそのストラトの良さ、あの儚さというか……、何というか鈴が鳴ってるような音がとても素晴らしいのです。
つい最近“言いたいかも”でも書きましたが、ストラトの良さってヘタに太い音を出そうとすると失われるような気がします。だから、10~46よりも09~42の細いゲージの方がしっくりするんじゃないかな!? うん、きっとそうなんだよ!!!
ってなワケで、このアルバムの最初の曲「Heven knows」が鳴り始めると、私は自分がもっとも威勢の良かった時代を思い出します(笑)。うん!!いつ聴いても戻れるんだな。そんなアルバムなんです。
(2013/5/5)
さて、このバカバカしくも画期的な(?)“聴くといいかも”も今回で20回目を迎えました。友人に乗せられて始めてしまいましたが、うん!けっこう続いているよな!? 最初は無謀だと思ったんだけどね。何かこれまでに経験したことのないモチベーションが湧き起こっております。もっとも継続することっていうか、根気だけはムダにあるんですよ。
今回は、“別にお前が紹介しなくても良くね!?”って感じのアルバムですが、The Policeの『Synchronicity』(1983年)を取りあげます。現在の私の音楽性とはあまりカブっておりませんが、基本的に当コーナーは私が7万回以上聴いたものを順次とりあげることになってますんで……。
年配の方でなくともこのアルバムが超絶大ヒットしたことはご存知でしょう。何と言っても名曲「Every Breath You Take」(邦題:見つめていたい)が収録されているアルバムです。ちなみにこの曲のギターのアルペジオ・パターンは、後のロック・ポップスのギター・アレンジに大いなる影響を与えてしまいましたね。もうほとんど“大発明”かのごときになってしまいました。
私はこのアルバムの発表当時は高校生。で、当時の雑誌で読んだスティングのインタビューで非常に印象に残っている言葉があります。それは、
「“Every Breath You Take”は絶対に大ヒットすると思っていた!」
って言葉なんですが。え~と、当時の私はこの曲を初めて聴いた時、もちろん良い曲だと思いましたが、“絶対に大ヒットする”という部分が今一つ判らなかったんですよ。うん、高校生の私には“Every Breath You Take”にスティングが大ヒットの確信を持っていたということが、ちょっとピンときませんでした。でも実際大ヒットしたワケで、
「スティング、スゲ~な!! っていうか、一流ミュージシャンの感性ってこういう感じなのか!?」
というように、何となくですがそういう“一流の者が持つ感性”みたいなのに気づかされた最初の出来事なんですね。オッサンとなった今ではスティングの確信も理解できますが……。
さて、いつものように“持ってなくちゃヤバイでしょ!?”とか“とにかく聴けよ!!”で押し通してしまっても良いんですが、私の“途轍もないお気に入り”の部分をムダに紹介しておきます。「Wrapped around your finger」って曲なんですが……、この曲の3コーラス目のアレンジって……、もう信じられないぐらい素晴らしいです。あのスネアが“タンッ!!”って入ってくる瞬間なんてもうホントに鳥肌モノです。この曲のこの部分を聴くだけでも、このアルバムを持っている価値があると思います。イヤ、ホントです。この部分が僅か2000円程度の出費で鑑賞できるなんざぁ、幸せですよ!!
(2013/6/2)
本来ならば先週に更新されるはずだった当コーナーですが、先週は諸事情によりお休みさせていただきました。まあ、いつ更新しようとこっちの勝手でしょ!?と開き直ることもできるんですが、当ホームページの更新パターンを熟知している方にとっては、「何で更新しねぇ~んだよっ!?」とパソコンの前で呟かれたかもしれません。申しわけございませんでした!!
さて、今回も懲りもせずに70年代ですね。Freeの『Fire and Water』(1970年)です。
70年代で私がまず思い浮かべるのはLed ZeppelinとPink Floydだったりしますが、どうしてどうして、Freeもけっこう私の70年代ロック体験では重要な位置を占めています。Led Zeppelinほどではないにせよ、Freeもヴォーカルのポール・ロジャース、ギターのポール・コゾフ、ベースのアンディ・フレイザー、ドラムのサイモン・カーク……。こうして並べてみると凄腕揃いだったかもしれません。
ポール・ロジャースのヴォーカル・スタイルは、当時のハード・ロックやアート・ロック、プログレッシブ・ロックの中にあってはある意味異質だったかもしれません。何故なら彼はハイトーンでシャウトするということをほとんどしません。それどころか、実際声域も他のロックバンドのヴォーカリストよりかなり狭い気がします。
それでも彼の評価が当時から高かったのは、その歌い方が非常に“普遍性”があったからだという気がします。“ソウルフル”とか言っちゃうのが一番簡単な表現のような気もしますが、そうじゃないんだなぁ~、私の感じ方は。「そうそう!!そこはそういう風に歌うのがベストだよね!?」っていう風に聞こえるんですよ。だから“普遍性”って言葉を持ち出したんですが。何と言うか、メリハリの付け方とか完璧って感じなんですよ。
ベースのアンディ・フレイザーも私はとても好きです。私は好きなベーシストというとまず浮かぶのがジョン・ポール・ジョーンズとロス・ヴァロリー(ジャーニー)なんですが、このアンディ・フレイザーもその次ぐらいに名前が浮かびます。ちなみにかのMR.BIGがこのアルバムに収録されている「MR.BIG」をカヴァーしていますが、ビリー・シーンのベース・プレイは……、ファンの方にはゴメンナサイですが……最低です……。実を言うとこの曲のプレイを聴いて以降、「ビリー・シーンはもうイイや!!」と思った鈴木です。
ギターのポール・コゾフに関してはそのヴィブラートが非常に高く評価されていて、私もその意見には大いに賛成です。そのトーンも含めて素晴らしいです。ただし、いつも私はポール・コゾフのプレイを聴く度に“惜しい!!”と思います。それはテクニックがもうちょっとコントロールされていれば、もっともっと素晴らしいプレイになったのに!!って感じるからです。きっと、「イヤイヤ、あのヘタい感じがコゾフの良さなのよ!!」って言う人が絶対いることも判っています。でもねぇ~、あれでテクニックがもうちょっとあったら完璧だろうに。技術を磨いたからって、あの素晴らしいヴィブラートの感性が失われるわけでもあるまい!?とか思います。
ってなワケで、非常に感性に溢れたアルバムなんですよ!! 一応持ってないとヤバイんじゃない!?と言っておきます。
(2013/7/7)
私のやっている音楽的指向からすれば、このアルバムをとりあげるなんてことは、「冗談だろっ!?」と思う人もいるかもしれません。でもマジです。ギタリストでロック野郎なオッサンの鈴木でありますが、「尊敬するアーティスト10人」を挙げるとすると、きっとジョージ・マイケルは入ってしまうと思われます。ここで話が脱線するのですが、よくデモ音源募集などでは、自分のプロフィールに好きなアーティストとか影響を受けたアーティストを書けとかありますけど、それを見る度に、
「そんなことどうでも良くね!? だって応募した人の作品が良いか悪いかが全てだろうに!!」
と思う鈴木です。っていうか、何が言いたいのかというと、たとえば私の作品とジョージ・マイケルの関連性を探ることに意味なんか無いでしょう!? 私のプロフィールに「ジェフ・ベック」と書いてあった場合と「ジョージ・マイケル」って書いてあった場合に作品の評価が変わるのか!?……まあ変わらないのかな。何が言いたいのか今一つですが、何となく違和感を覚える鈴木なのです。
というワケで、脱線全開って感じですが、私が言いたいのは本来好きでないジャンルであっても、イイものはイイ!!ってことであって、弦高バカ高ギタリスト野郎の鈴木であっても、このジョージ・マイケルのアルバムに心酔してしまい、7万回以上聴いたりしてしまうわけです。ギタリストだからってギター中心の音楽を聴くだけでは、たくさんある素晴らしい音楽の中の極々限定されたモノしか得られないと思いませんか?
さて、文章を重ねる度に迷路に入り込む“いつもの仕様”になりつつありますが……、自分の好きなジャンル以外のモノも聴いてみるといいかも!?という提案でもあります。ちなみに自分の経験から申しますと、自分が普段聴かないジャンルであっても、そのジャンルで最高だとされているモノは、概ね楽しめたりします。たとえば私は普段、ヒップ・ホップとかは聴きませんが、その筋で最高評価を得ているモノだったら「おっ!?カッコイイじゃん!!」と思えます。イイものは大抵ジャンルを超えているんですよね。
そんな感じで当ホームページの訪問者の方々は、ギター弾きが多いと思われますので、きっとジョージ・マイケルを聴く可能性は低そうですので、あえてここで、このアルバムをお奨めしておきます。タイトルも、
『LISTEN WITHOUT PREJUDICE』
ってことで、偏見ナシで聴けよ!!ってか!? まあ「グダグダ言わずに聴けよ!!」って感じですかね。少なくとも音楽を愛しているのなら、何かを感じることと思いますよ。
(2013/8/4)
みなさん大変お待たせしました。このところホームページの更新が滞っておりました。ホント申しわけございません。新曲のリリースに忙しかったのですよ。 ってな感じで久々の更新はやっぱり「聴くといいかも」だろっ!?とか勝手に思う次第であります。(敬礼!!)
さて、今回はU2です。けっこう意外に思われるかもしれませんね!? 私は知らない人から、
「好きなアーティストは誰!?」と訊かれた時に、言ってはいけないアーティストというのがあると思っています。それは、ビートルズ、レッド・ツェッペリンなどの偉大すぎるアーティストであって、
「イヤイヤ、ビートルズって、ツェッペリンって……、そんなのはポップスやロックが好きなら当たり前のことであって、それじゃアンタがナニモノか全然判んねえし!!」
って感じに思ってしまうからです。日本人が「醤油が好き!」とか言うのと変わりませんな。“そりゃそうだろっ!?”って思うだけです。その人を知る手がかりにはなりませんな。
で、実はU2も“言ってはいけないアーティスト”の一つであると考えています。うん、U2が好きだとか言われても、「私は酸素が無いと生きていけません!」と言っているようにしか聞こえません。クドクドと書いていますが要するに、ロックが好きだって言うのなら、U2は外しちゃダメでしょ!?ってことです。「イヤ、俺はバリバリのスラッシャーだから!!」とかいう人であっても聴くべきだと考えています。ホントです。
ところで、熱心なU2ファンだったりすると、5枚目の『The Joshua Tree』あたりまでが本物のU2であって、それ以降の斬新なアレンジを採り入れたモノはU2じゃない!!とか言ったりします。私はこれに対して、「バカ言ってんじゃねえ!一生言ってろ!!」というスタンスです。ロックは本来、保守的なモノでは無かったはず。メジャー・バンドになってからも、これまでの焼き直しなどせずに、進歩を続けようとしたU2は正に偉大なバンドであると思います。
ってなワケで今回お奨めするのは1997年発表の『Pop』です。正直言って、メンバー達も「以前のアルバムほどには売れない」ことなどは気づいていたと思います。で、実際そうなりました(笑)。でもホント、素晴らしいアルバムだと思います。きっとあと50年ぐらい経ったら絶賛されることになるぞ(笑)。
最後に、このところ「いつかこんなギター・ソロを!」のコーナーが当レビューから姿を消して久しいですが、今回ももちろんありません。ただ、ギタリストのエッジを見ていていつも思うことがあります。彼って意外なほどにギターを持ち換えますよね!?でも、端から聴いているとその音の違いをあまり感じませんな。もちろん、本人なりの確固たるこだわりがあるからやっているのでしょうけど……。でもそんなエッジに鈴木はいつもビビッてしまうのでした。彼には、きっと大きな枠としての、「絶対的に素晴らしいエレキ・ギターのサウンド」ってのが有るのでしょう。ギターを持ち換えても常にエッジの個性がギターのキャラクターを上回っているということなんだと思われます。彼は偉大なギタリストなんですね!
(2013/9/8)
これまでの当コーナーは、いわゆるヘヴィ・メタルの名盤か、もっと広い意味でのロック、ポップスで私が7万回以上聴いたモノを取りあげてきました。さて、今回当コーナーを書くにあたって、例によって何枚かの候補を考えていたのですが、「何というか、ハード・ロックはハード・ロックでも、ハード・ポップ寄りのモノはまだ取りあげてないなぁ~!?」ということに気づきました。
みなさんはハード・ポップと言うと何を思い浮かべますかね!?私の世代ですとTOTOとかスティックスとかジャーニーとかボストンとかフォリナーとかですかね。まあこれらのバンドは別に嫌いじゃないですが、「やっぱこれだぜぇ~!!」みたいな感じで愛聴したアルバムって私には無いのですよ。
だからってアンタ、UFOはハード・ポップじゃなかろう!?という外野の声はごもっともなんですが、この1985年発表の『MISDEMEANOR』は私の中ではそういう印象なんです。最初に聴いた時からず~っと。で、久しぶりにこのアルバムのライナー・ノーツを読んでみましたが、かの伊藤政則氏も「アダルトな」ハード・ロックであると書いていますので、私の印象もあながち間違っていないと思われます。うん、この感触は私にとってはハード・ポップです。もっとも先ほどハード・ポップとして挙げたバンドはフォリナーを除けばアメリカのバンドでして、ハード・ポップと言うとアメリカのバンドというか、
「アメリカで売れたハード・ロック寄りのサウンドを持ったバンド」
という感じですが、このアルバムは決して“アメリカンな”感じではなくて、やっぱりブリティッシュ・テイストなんですけどね。誤解を恐れずに書きますとデフレパードにちょっと近いかな!? やっぱりどうしたってヴォーカルのフィル・モグは英国人ですから、彼のテイストによってブリテッィシュ・ロックになっているのでしょうが。
ってなワケで、ホントを言うとこのアルバムは厳密に言うと7万回以上聴いたワケじゃないんですよ(笑)。ただね、日系人ギタリスト、アトミック・トミー・Mのプレイは聴いておいてもいいかな!?と思いましてね。もちろん、だからと言ってこの私が多少ギターが良いだけでお奨めするワケもありません。楽曲も粒ぞろいです。このアルバムは以前から当コーナーの「変化球というか隠し球」みたいな感じで取りあげようと考えていたのですよ!
残念ながらアトミック・トミー・MがUFOでプレイしているのはこのアルバム『MISDEMEANOR』だけ。当時大学生だった私は、次のアルバムを期待していたんですけどね。今回はちょっと意表を突いた感じですが、ギタリストのみなさんは聴いておいて損は無いアルバムですよ!!
(2013/10/13)
このところ“何様なんだよ?”で「ロック史上最高の名曲」を決めるとかぶち上げたせいで、“何様なんだよ?”の更新ばっかりだね!?って感じもしますので、今回はこちらを更新しないとね。やっぱり月に一度は新しいイラストを載せないとね!
というワケで前回は“ちょっとした隠し球”などとヌカして、ややマイナーな感のあるアルバムをとりあげましたが、当コーナーは決してマニアックなモノを紹介していくワケではなく、鈴木本人も基本メジャー指向ですので、今回は思いっきりメジャーなアルバムでいきたいと思います。ってなワケでMotley Crueよ!!『Dr. Feelgood』(1989年)ですね。
イヤね、モトリーと言うと『Theatre Of Pain』(1985年)あたりもイイかなぁ~!?という声や、やっぱり初期の頃の制御不能(?)な感じの1st『Too Fast For Love』や2nd『Shout At The Devil』とかがイイじゃん!?って声もあろうとは思うのですが、一応商品としての完成度が一番高いこのアルバムがイイかなと思うワケであります。プロデューサーは一時メタル系では大ブレイクしていた、Bob Rockです。私は彼がやたらと起用されていた頃には、彼のサウンドばかり聴かされてちょっと食傷気味になって、「ああ!?またボブ・ロックの音ね!」みたいな感じで嫌いになっていた時期もあったのですけどね。ただ、このアルバムに関しては、流行とは関係なくイイ仕事をしてるんじゃない!?(どんだけ上から目線)
ってなワケで、本作は楽曲も粒ぞろいであり、そのサウンドもクオリティが非常に高いのです。まず「Dr.Feelgood」。イントロなどはいつ何時聴いてもワクワクしますよね。そこから続く「Slice of Your Pie」、「Rattlesnake Shake」、「Kickstart my Heart」……、もうモトリーの世界に没入しまくりです。スティーヴン・タイラーなどがバック・ヴォーカルで参加している「Sticky Sweet」も異常にカッコイイな!!聴くがよい!!うん!?何かいつもとキャラが違くないか!?イヤァ~、久しぶりに今フルで聴いているもんで、私自身が一番尖っていた20代半ばに気分がちょっと戻ってしまいましたよ。
このアルバム発売時のツアーも観ましたが、ショー自体が凄く良かったんですよ。ニッキー・シックスは半分ぐらいしかちゃんとベースを弾いてなかったような気がするんですが……。ちなみに当時、音楽雑誌のある記事で、“ニッキー・ベースを弾かない・シックス”という表記を見た記憶がありますぞ(笑)。うん、ライブを観たその音楽雑誌編集者さんも気になったのね!! でもまあ、モトリーって演奏技術をどうこう言うようなバンドじゃないからね。っていうか、全体のパッケージングが非常に優れていたのでしょうね。
そんな感じで、ちょっと普通すぎるかもしれませんが、このアルバムは持ってないとかなりヤバイ感じです。まあいつも同じこと言っている気もしますが(笑)。
(2013/11/25)
海外制作のドラマやバラエティ番組を観ている時にいつも思うことがあります。その番組のテーマ曲だったりBGMとして使われる曲は、断然アメリカ制作のモノよりイギリス制作のモノの方がカッコイイというか、おしゃれな感じがします。アメリカは何と言うかゴージャスなんだけど、押しつけがましい感じというか、その時の映像に対して非常に限定的に作用する感じというか……。それに対しイギリスはその音楽だけでも“聴きたい!”と感じさせるモノが多い気がします。
ってなワケで、鈴木の嗜好性ゆえに当コーナーではどうしても英国モノが多くなりがちです。で、今回はかなり意表を突かれる感じでしょうが(笑)、Blurを取り挙げます。まあけっこう典型的な英国サウンドとも言えますね。
そこで『Modern Life Is Rubbish 』(1993年)です。2ndアルバムですね。いわゆるブリット・ポップ系のバンドは他にも人気のあるモノはたくさんあります。で、その中から何でBlurよ?という疑問にお答えしますが、鈴木にはどうしても根底にハード・ロック、ヘヴィ・メタル魂が流れていまして(笑)、そのせいで演奏技術がしっかりしているバンドじゃないと、イマイチ好きになれない傾向があるようです。そういうバンドの中にあって、Blurはインストが入っていたりしてややプログレチックな面もあり、そこが鈴木の琴線に触れるのかなぁ~と思います。
とはいえ、Blurの最大の魅力はヴォーカリストのデーモンの、「音程を感じさせない歌」(笑)ですね。何か不思議な歌ですわ。ブリティッシュ・ロック・バンドにはけっこういるんだけど……。聴いていると最初は“ヘタかも?”とか思うんですが、そのうちだんだんクセになってきます。
それと曲創りがとても緻密な感じです。実はこのバックは緻密なのにヴォーカルはヘロ~ッとしているというコントラストが、絶妙な開放感を生んでいるのかもしれません。
特にお奨めの楽曲は“For Tomorrow”と“Blue Jeans”かな!?
でも他にもいっぱいありますよ。私のホームページを御覧になる方は、やっぱりハード・ロック系のギターバリバリの音楽が好みの人が多いと思われますが、そういう方にとってもきっと聴きどころが随所にあると思われます。特に作曲をする方は聴いておいた方がイイかも!? 先ほどから私も繰り返し聴いているのですが、「あっ!?実は私無意識にこの部分を参考にしていたかも!?」という箇所がけっこうあるような、ナイような。(どっちだよ?)ハード・ロックの緊張感も良いけれど、こういったロックの開放感も良いですよ!! きっと買っても後悔はしないと思います。
(2013/12/23)
みなさんお待たせしました!! 先月は何だかんだでこの“聴くといいかも”のコーナーの更新ができませんでした。ここにお詫びを申し上げますが、え~と、ネタが無いとか鈴木の将来がどうか?とかで非常に困ったりしているワケですよ。まあみなさんが私の楽曲を買ってくれれば、そういう問題も徐々に解決していくんですけどね。別に愚痴じゃないですけど、そうそう買ってくれないのね!?っていうか、みんな有料コンテンツってのには興味が無いんですかね? 世の中はギブ・アンド・テイクじゃないのかああああああああ!?
失礼しました。気を取り直しまして、今回はヘヴィ・メタルとしては非常にメジャーなアルバムを取りあげます。IRON MAIDENの『Powerslave』(1984年)です。ワザワザ私がお奨めしなくても、当ホームページにおいで下さる方だったら、既に持っている可能性は高そうです。ですから逆に考えると、持っていない方は、ソッコーでネット通販などで注文するか、明日の朝起きたら最寄りのCDショップの開店を待って、ソッコー買いに行くべきだと思われます。
このアルバムは当コーナーを始めた時から、いつか取りあげるつもりでした。で、本日他の“候補”のアルバムと一緒に聴き比べたりしました。比較対象となったアルバムは、一体誰?と気になるかもしれませんが、いちおう今後のために名前は伏せておきましょう。実を言いますとその比較対象のアルバムの方が、発売当時はバリバリ聴いていました。それどころか、アーティストとしてどっちが好きか?と問われれば今現在でもそちらのアーティストを選ぶかも。
しかしながら、実際にアルバムを通して聴くとですねぇ~、その比較した方のアーティストは、発売当時に聴いていた時に感じた“カッコ良さ”がだいぶ薄れてしまっているように聞こえたんですよ。何というか、「賞味期限切れ」というかね。じゃあ、メイデンはどうなのよ?と言いますと、若い頃聴いていた時と印象が全然変わらないな!!
昔からカッコイイと思っていた部分は、今でももちろんカッコイイし、ダサイ部分もやっぱりダサイし(笑)……。メイデンは賞味期限が無いんだな、と思いました。
じゃあその“賞味期限は無期限”の理由は何なのか? やっぱり彼らの楽曲が持つ類い稀なる疾走感かな? この疾走感というのは重要で、たとえば彼らの楽曲はけっこう複雑というか、悪く言えば“くどい”展開もあったりするのですが、それを感じさせないんですね。そしてその疾走感の最大の理由は、やっぱりリーダーでメインのソングライターであるスティーヴ・ハリスのベースに因るものでしょう。私はギタリストですが、メイデンを聴いている時は気づくとベース・ラインばっかり追っていますわ!! ホントに彼のベースは素晴らしいと思います。ちなみに彼は私のお気に入りベース3人(他はジョン・ポール・ジョーンズとロス・バロリー)のうちの一人であります。(敬礼!!)
このアルバムには当ホームページの“何様なんだ?”でロック史上最高の名曲の候補にも出した「Aces High」が収録されています。この曲のためだけにでもこのアルバムは買わねばならないでしょう!! それ以外もカッコイイけどね!!
(2014/2/2)
今回は最終候補2枚のどちらにするかで非常に悩みました。
片やほぼ全世界で大ヒットしたアルバム。発売当時から何度となく聴きまくったアルバム。片やアルバム・セールスは……、ほとんどイマサン(笑)。一番売れたのは実は日本じゃないのか?って感じ。しかしながらそのバンドのギタリストが鈴木は大好きで、来日公演も観に行っている!! そう、より思い入れのあるのは後者。でも聴いた回数とか、人に奨めるアルバムという意味ではきっと前者。
ってなワケで、前者が果たして何か?というのは、そのアルバムを取りあげた時にバラすことにして(きっといつか取りあげます!)、今回は一般的にはあまり知られていないアルバムを紹介します。でも、ギタリストはかなりの知名度があるし、熱狂的なファンも多いと思われますので、そんなに知られていないわけでもナイか?
だからBADLANDSだよ!! ジェイク・E・リーなんだよ!! オジー・オズボーン・バンド脱退(クビ?)後に結成されたバンドです。売れなかっただけの相当の理由はきっと理解できるでしょう(笑)。うん、決してポップではなくキャッチーでもありません。でもとても渋くて奥の深いアルバムです。
鈴木はジェイクが好きだと書きましたが、彼のサウンド、そのプレイのアプローチがとってもシックリくるんです。「カッコイイギター」を弾こうとしたら自然とこうなった!!という感じにさえ思えます。とにかくギター・サウンドの“質感”が最高なんだよ!! ヴォーカルのレイ・ギラン(故人)もかなりイイです。
鈴木がその昔バンドをやっていた時、スタジオでの練習、ライヴでのリハーサルにおけるギターのサウンド・チェックでは、しばしばこのアルバムの1曲目「High Wire」のリフを弾いていました。何と言うか“弾きたくなる”リフでして、自分のサウンドを確かめる時には持ってこい!!なんだな。
このアルバムのギター・プレイが万人の参考になるのか?っていうか、コピーとかすべきなのか?というとそれは甚だ疑問です。曲創りに関しても同じでしょう。でもハード・ロック系のギタリストの方々は絶対聴いておいた方が良いです。別にさ、マネしなくてもイイけど知っておくべきだな! うん、弾く弾かないは置いておいて、こういうクールなアプローチもあるということを、知識として持っているだけでも、ギター・プレイの幅が拡がると思われます。
とか何の疑いもなく調子に乗って書いておりましたら、困ったことに。
どうやらこのアルバムは現在国内外ともに廃盤ですね(笑)。
当コーナーは皆さんに聴いて頂きたいモノを紹介するのが主旨ですが、実はこのアルバム、中古市場でもけっこうなプレミアが付いてしまっている模様です。入手が困難とは言えませんが、安いものでも3000円程度はするかも……。でも……、お奨めなんですよね……。う~ん、これが廃盤なんて音楽業界はダメかも。
(2014/3/30)
ブログの方でもちょっと触れましたが、今回は(も?)アルバムのチョイスで悩みました。候補のアルバムは当アルバムを含めて3枚。実を言うと3枚とも以前から候補に度々挙がっておりました。で、今回漏れた他の2枚は……、え~と、どちらも世界中でヒットしたアルバムです。ですから万人にお奨めすることには何の躊躇もありません。それを奨めることで鈴木自身がバカにされるようなことも、多分無いでしょう。でもその反面、これまで独自路線を築いてきた感がある(?)鈴木としては物足りなくもあります。で、他の2枚はネタに詰まった時の安全牌として取っておくことにしました。
さて、そして残った1枚のアルバムがこのKATMANDÜの『KATMANDÜ』なのです。鈴木はギタリストですから、ギターが素晴らしいアルバムは基本的に好きです。で、このアルバムはギターが素晴らしいのか? うん、悪くはナイよ。でも一般的に考えられるような“スーパー・ギタリスト・アルバム”ではありません。
しかしながらこのアルバムは、このところこの“聴くといいかも”を書こうとする度に候補に挙がってしまいます。来日公演も観に行ったから多少の思い入れもあるんだけどさ。それにしても毎回鈴木の心に引っかかるのは何なのよ?ということを確かめるために、あることをしてみました。
それは、このアルバムが発表されたのと同時期によく聴いていたアルバムの中で、いわゆる“ギター・ヒーロー”モノのアルバムを聴いてみることでした。で、当時聴いた回数ではそちらの“ギター・ヒーロー”モノの方が多かったかもしれないのに、何ていうか覚えていないんだよね。曲を。うん、ギター・プレイでは明らかにそのギター・ヒーローの方が上で、ギタリスト・鈴木としては非常に楽しんでいたはずなのに……。
つまりこの『KATMANDÜ』の方が明らかに楽曲が素晴らしいのですよ!
単純にヴォーカルのデヴィッド・キングの歌が良いというのもあるのですが。
デヴィッド・キングと言うと、一般的にはFastwayのイメージが強いでしょう。で、人によってはFastway自体にツェッペリンの“まがい物”的な悪いイメージを持っているかもしれません。確かにロバート・プラントに似てるけどさ。でもこのアルバムは「別にそんなことどうでも良くねぇ?」という楽曲クオリティの高さとパフォーマンスの優秀さがあると思うんですよ。
U2のカヴァー「God PartⅡ」はイカしてるし、「Sometime Again」、「When the Rain comes」、「Ready for the Common Man」などの素晴らしいオリジナル曲は、いつ聴いても熱いな!!
まあそんな感じで、絶対に聴いておくべきアルバムだと思っておりますが、これも廃盤なのか? 世の中はどうなっているのだ? 鈴木がブレイクしないのも当然か(笑)。でも見つけたら買いなさい!と強くお奨めしておきます。
(2014/4/30)
鈴木はドラッグをやったことがありません。
ず~っと音楽をやってきましたから、当然知り合いでやってる(?)人、やっているだろうなぁ~!?って人はけっこういました。でもやろうと思ったこともナイです。ま、「俺はやらん!」と宣言しておりましたので、誘われることも無かったけどね。っていうか、単に音楽仲間から嫌われていた(笑)という可能性も否定できないのですが……。さて、珍しく時事問題に言及するのか?とか思われたかもしれませんが、そんなつもりは全然無いのです。ただね、違法ドラッグはやらないんだけど、みなさんそれぞれ自分にとっての“ドラッグ”的なモノって持ってるんじゃない!?という展開に持っていきたいんですけど……。
ってなワケで、The Mission U.K.なんだな。
何でThe Mission U.K.?これまでのお前の傾向とは違わないか?
そうですね、ごもっともです。でも一時期非常にハマっていたのです。あれは20代中頃。当時鈴木はコンビニで働いておりましたが、その時はフルタイムの昼勤アルバイトでした。そしてその店は……、通常コンビニとかって店内のBGMは有線放送を使うのが一般的だと思うのですが、その店は大手から独立した小規模チェーンでして、しかも本店。そのせいで色々と自由度が高かったのです。
もちろん有線もかけられたのですけど、CDプレーヤーを持ち込んで好きなCDをかけられるようにしておりました。スタッフにはバリバリのハウス・ミュージック・マニアとかもいて、そいつは夜勤でしたが、そいつがシフトに入っている時は、「ここは何処?」というような音楽がガンガンかかっていましたな。普通のコンビニなのに(笑)。
で、昼勤には鈴木と同年代の社員がいまして、彼も音楽をやっていました。その彼とは非常に気の合う間柄であって、彼がある日持って来たアルバムがこの『Carved in Sand』(1990年)なんだな。彼の趣味は完全にブリティッシュ・オンリーという感じでした。
当時はかなりヘヴィ・メタル寄りの音楽嗜好だった鈴木ですが、このアルバムは最初に聴いた時からノック・アウトされました。で、その働いている店は南池袋にあったのですが、帰りにソッコー、タワーレコード(当時、池袋の目白寄りのところにあった)で買っちゃいました。
うん!ヴォーカルのウェイン・ハッセイの声と音楽性には非常に中毒性があるんですよ! これで最初の話と繋がるワケです。鈴木にとってThe Mission U.K.がドラッグみたいなモンかなぁ~!? そのせいで、The Mission U.K.はほとんど持ってたりするんだな。
ギター・キッズ向けじゃナイですけどね。っていうか、ギター弾くからってギターものばかり聴いていたら、音楽の良さのほんの一部しか知らないままになってしまいます。 「Butterfly on a Wheel」を聴いてみなさい! また繰り返して聴いちゃうでしょ!? 全然平気!それは極めて正常な反応ですよ。これはドラッグだから。
(2014/5/26)
さて、ホームページの更新を長らくサボってしまいました。ホント、申し訳ありません。というワケで、月に一回は必ず更新すると心に決めている“聴くといいかも”です。
このところ当コーナーで毎回候補に挙げているのだけれど、何度かスルーしてしまった一枚を今度こそ取り挙げます。THE CULTの『SONIC TEMPLE』(1989年発表)だぁ~!
前回のThe Mission U.K.もやや鈴木的には意外な(?)チョイスという感じでしたが、今回もその流れのままに行きたいと思います。ええ、THE CULTは本来はポジティヴ・パンク・バンドだよな!? でもこの4枚目のアルバム『SONIC TEMPLE』とその前の3枚目の『ELECTRIC』はほとんどハードロックでして、鈴木の愛聴盤でした。うん、アナログとCD両方持っているからな。この'89年あたりですと既にCDも発売されていましたが、鈴木的にはまだアナログを買うのが普通でした。で、気に入ったモノはオッサンになってからCDをまた買ったのです。
このアルバムは全世界でヒットしました。だって普通に気持ちの良いハードロックだもん(笑)。こういうバンドの常で、元々のTHE CULTのファンにはウケがよろしくなかったみたいですけどね。ちなみにこのアルバムの発売当時、鈴木はバンド活動真っ盛りでした。そのバンドはトリオのハードロック・バンドでしてサウンドはいわゆる洋楽風のモノ。当時の鈴木はリスナーとしてはかなりブリティッシュというかヨーロッパ寄りのモノを聴いていましたが、じゃあ、オリジナル曲もそんな感じだったのか?
実は当時、鈴木にはオリジナル曲についてのあるこだわりがありました。確かに好きなのはブリティッシュ系だけど、自分でそういうのをやるのはただのモノマネやコピーに成り下がっちゃうよね!? ですから、もちろん好きな音楽のエッセンスを取り入れる(というかどうしても出てしまう)のは当然ですが、実際に出てくるサウンドはもうちょっとカラッと“アメリカ風”にしたいと考えていました。
う~ん、文章では伝えにくいけどさ。とにかく鈴木の中では「ニュアンスはブリティッシュ、実際のサウンドはアメリカン!」というか「感性はウエット、演奏はドライ!」みたいなオリジナル曲にしたいという想いがあったんだよ!
で、このアルバムはその鈴木のオリジナル曲に対する考え方と非常にマッチしている感じがしました。まあ、だからと言って隅から隅まで研究したりとかはしないけどね。それじゃただのパクリになりかねないですから……。でも、たとえばある人に「どういうサウンドのバンドをやっているんですか?」と訊かれたら、「THE CULTの“SONIC TEMPLE”みたいな感じ!」と言っちゃおうかなぁ~!?っていうか、実際にそう応えた記憶もあったような……。
お前のバンドの話を出しても判んねぇ~よ!!という感じですが、とにかくこのアルバムのウエットなんだけどその感性が決して内向きだけに留まらず、外に向かって上手いこと放出されている感じがとても好きです。うん!外向きの部分もチャンとあるからヒットしたのだと思いますけどね。ちなみにプロデューサーはボブ・ロックだな。お前好きじゃないとか言ってなかったか?(笑) イヤ、このアルバムが好きな理由のひとつにドラマーにミッキー・カーリーが参加してるというのもあるんだけどね。とにかくロック通を自認するなら持ってないとマズイと言えるアルバムです。大丈夫!これは廃盤じゃないから(笑)。
(2014/6/29)
前回のTHE CULTもそうでしたが、今回のMETALLICAもこれまで当コーナーの候補に何度も挙がりながらスルーしてきました。鈴木の嗜好性とはちょっと離れている感じがしますので、ある程度回を重ねてからの方がイイかな!?というムダな配慮(?)が有ったのです。
METALLICAは元々はスラッシュ、スピード・メタルのバンドだったワケですが、5枚目の本作『METALLICA』(1991年)からより重たいグルーヴをメインとしたバンドに変貌を遂げ、後のメタル・シーンに多大な影響を与えました。うん、このアルバムはいわゆる“発明”に近い作品だとも言えます。世界中で大ヒットしました。ただ、このアルバムのアプローチって、本来的にはそれほど“売れる”ような感じでは無かった気がします。
じゃあ、どうして売れたのよ? これはあくまで鈴木個人の考えですが、それはラーズ・ウルリッヒのドラムにあるような気がします。ラーズのドラムはどちらかと言うと“軽い”方なんですね。ですから本作のアプローチとはミス・マッチのハズなんですが、実はそこが全体を覆う重たく暗い作風と絶妙なバランスでブレンドされた気がするんです。ラーズのドラムが重い感じだったら、もっとこのアルバムは重苦しいアルバムになってしまって売れなかったような気がします。え~と、珍説でしょうか?(笑)。
鈴木個人の意見は置いておいても、本作のサウンド・プロダクションは非常に素晴らしい!! ほとんどジャンルを超えていますね。もうオーディオのサウンド・チェックに使いたいレベルです。そういう意味でもCDを聴くのであれば、ロックを聴かなくても持っていなければならないアルバムかもしれません! とか大絶賛をカマしておりますが、本作のプロデューサーはボブ・ロックです。アレ?前回に引き続きお前好きじゃないとか言ってなかったか?という感じです。やや逆ギレ気味ですが、
「好き嫌いではなく、これが良い音だと感じないのであれば問題だよ!」
とか書いておきます。
さて、本作は鈴木の専門外という感じではありますが、ギターのサウンドも素晴らしいと思います。まあ鈴木は仮にこの音を出せたとしても音楽的嗜好性からして使い途がありませんので、参考にしたりはしませんが(笑)、この系統では“最高峰”かもしれません。これもボブ・ロックのおかげなのかもしれませんけどね。
でも……、非常に意外かもしれませんけどカーク・ハメットのギター・プレイのアプローチって……、スゲ~鈴木にはシックリくるんです。「お前のプレイとはかけらも似てないだろっ?」という感じではありますが、秘かに「そうそう!ここはそうだよね!?」とか一人で頷いていたりします。まあ私が“シックリくる!”とか言ってもあまり説得力は無いかもしれませんがね。
ってなワケで、専門外の私でも非常にカッコイイと感じてしまうので、ロック・ファンなら持ってなければならないし、既に持っている方も多いかもしれません。でも最後に一言だけ言わせてね。
「いかなるヴァージョンであろうともMETALLICAはフィギュアスケートとは合わないと思うぞ!(笑)」
(2014/7/27)
若い頃の熱さってのは、やはり“若さ特有”のモノがあると思う。もちろん、オッサンとなった今でも私本来のキャラクターが持っている“熱さ”はあるのだけれども……。
大学1年から2年にかけて、私はメタル系のコピー・バンドを若さに応じた熱さを伴ってやっていた。レパートリーはオジー・オズボーン、ヴァンデンバーグ、ラウドネスなど。このバンドは高校の友人達と始めたバンドで、その中心となるメンバーはギターの私とベース、ドラムであって、この3人は常に不変。ヴォーカルが変わったりキーボードが加入したりとかそんな感じだった。
私は大学の軽音サークルにも入っていて、そちらでもバンドはあったけれど、あくまでも中心はこちらのメタル系コピー・バンドだった。え~と、今となっては実に小さいとも思うのだが、けっこう地元では有名だった。うん、我々は田舎のアンちゃん達がやっているコピー・バンドの中ではかなりのモノで、こちらが全然知らない高校生とかに楽器屋で「×××の鈴木さんですよね?」とか声をかけられることもあった。
まあ実際、自分達の中に「俺等は他とは違うもんね!」という気持ちはあったと思う。けっこうな勘違いだと今では思うのだが……(笑)。
そんなワケで、何となく自然に他のバンドがやらないような曲を演奏しようという気持ちになっていたのかもしれない。そして、我々が目を付けたのがTRIUMPHである。イヤ、下着メーカーの“トリンプ”とは違うぞ!(笑)
TRIUMPHをやろうと言い出したのは私だ。このバンドが私は当時大好きだった。アメリカではかなりメジャーだったのだが、日本では全然だった。当然バンドスコアなど出版されていなかったし、“ヤングギター”などで取り挙げられて楽譜が掲載されるようなことは無かった。
正直言って、このバンドの楽曲は簡単ではナイ。でも、ホラ、「俺等は他とは違うもんね!」という強烈な勘違いに、若さ特有の熱さが加わって、何の迷いもなくTRIUMPHはセット・リストに加えられることになった。え~と、うん、苦労したよ。だってギターのリック・エミットは凄腕だからね。彼はガット・ギターの達人でもあって、そのせいかエレキの時も独特のフィンガリングのクセがあってね。
でも苦い思い出もちょっとある。
当時私は免許も車も無かったから、ドラマーの車でバンドの練習やミーティングの時に送ってもらうことが多かった。で、いつもその車中ではTRIUMPHがかかっていた。もうホントに、“またそれかよ!”と言うぐらいで、しかも、どうやら家でもいつも聴いていたらしい。何かねぇ~……、「コイツに聴かせなければ良かったかも?」とかマジで思うほどに入れ込んでいたな。
で、どうしてそれが苦い思い出なのか?
実はその後ほどなくして私はバンドを脱退することになるのだ。TRIUMPHの流れる車中でドラマーと話をしながらも、内心では随分と悩んでいた。今思えば大したことではないんだけれど、当時の若さ特有の熱さを伴った私には、一大決心だったんだよ。今でもTRIUMPHを聴くとあの頃の、「俺は彼等を裏切るのか?」と悩んでいたのを思い出す。
ムダにダーク(?)な思い出も書いてしまったが……。
当時を振り返ってみると、オジー・オズボーンとかの方が聴いていたし、ランディ・ローズのコピーの方が、その曲数や人前で演奏した回数は遙かに多い。でも現在の私にランディの影響はほとんど無い。ところが、TRIUMPHからの作曲面やギター・プレイの影響はかなり色濃く残っている。若く熱い頃、私に吸収されたモノに関しては、こちらの方が遙かに上のようだ。だから聴くといいかも?と書いておく。
(2014/8/31)
さて、月イチ恒例となっている“聴くといいかも”です。
基本的には私がこれまでで7万回以上聴いたモノが取り挙げられます。もう34回目なんですね。そろそろ書籍化の話が来るはずなんですが……(笑)。
当コーナーでは、“持ってなっきゃヤバイ!”とか“ソッコー買いに行くように!”とかが口癖になっていますが、本作はそれ以上の表現を使いたいところです。っていうか、このアルバムを持っていなければならない妥当性を正確に表現できる言葉ってのは、未だにこの世に無いかもしれません。「実はお前、思いつかないんだろ?」という指摘は……、アンタ、中々ヤルね!!
ところで世界中で大ヒットしたこのアルバムですが、同名映画のサウンドトラックです。私も一応、映画も観ましたけどね。でも映画は別にイイかな。そんなことどうでもイイぐらいこのアルバムは素晴らしいから。
とにかくプリンスの才能は……、当ホームページのどこかでも触れましたが、このぐらい才能が有ると不幸だよな!?とか余計な事を考えてしまうくらいです。うん、きっとアタマの中にこんなに音楽が溢れていたら狂いそうだよ。音楽の神様がいるのだとしたら、きっと彼が神ですわ。
シングル・ヒットもしたアルバムトップの「Let's Go Crazy」。
冷静に考えるとリフのパターンとか“ダサダサ”になりかねないよね。でもプリンスの手にかかると、コレが疾走感抜群の無敵のロックンロールになってしまう。だからと言って、大したことないアイデアを才能のある人が“ちからわざ”でねじ伏せて完成させてしまったような感じは微塵もない。実は私がプリンスに対していつも思うことなのですが、プリンスの作品には“スゲ~努力”の痕跡を感じないし、だからと言って鼻歌交じりに力を抜いて創ったという感じも無い。そこに在るのはいつも、「プリンスこそ正義!」(笑)みたいな感じだ。う~ん、このニュアンスは伝わるか?
それでこの「Let's Go Crazy」は正にそんな感じ。
何様なんだ?のコーナーでも取り挙げた「When doves cry」。これも困った曲ですよね。
ツッコミどころ満載のようでいて、そのどれかを突っ込んでしまうとその途端に突っ込んだ方がバカを見る!みたいなとんでもない曲です。
他にも素敵な曲が満載なんですが、既にこの2曲だけで普通のアルバム何枚分もの価値がありますので、他の曲の解説は割愛させて頂いて、最後にどうしても書いておきたいことを。プリンスのギター・プレイって、そのニュアンスがジェフ・ベックとそっくりだと思う私です。まあ実際のトーンとかフレーズは似てないんだけど。具体的に言うと、とにかく二人とも同じ“ギター神”が取り憑いていて、「中の人同じじゃねぇ!?」とかそういう感じです。っていうか、どこが“具体的”なんだよ?
まあ似ているというよりは、単に彼等だけが“他と違う領域にいる”のかもしれませんがね。そう思うのは私だけでしょうか?
(2014/9/28)
始めた時には“挫折しちゃうかも?”とか思っていた当コーナー。他に例を見ないアルバム・レビューとして好評なのかどうか?はサッパリ判りません。しかしながら、もう35回目です。そろそろこれまで取り挙げたアーティスト、つまりジェフ・ベックとかヴァン・ヘイレンとかの別のアルバムに行ってもイイよな?と自分的に考えておりましたが、アンタ、ゲイリー・ムーアをやってなかったよ!
私はゲイリー・ムーアが最も好きなギタリストというワケではありません。ですから、最もコピーしたギタリストでもありません。ただし、何故か昔から「ゲイリー・ムーア好きでしょ?影響受けてるでしょ?」とマイケル・シェンカーと並んでよく言われます。ちなみにマイケルも最も好きなギタリストというワケではありません。
どうしてそうなるのかな?と考えてみるに、この二人のギタリストはエレキ・ギターを始めた極々初期によく聴いていた!という共通点があります。きっと原体験みたいなモノなんでしょうね。生まれて初めて目にしたモノを親だと思う、とかそんな感じでしょう(笑)。
さて、私はゲイリー・ムーアの初来日公演(1983年1月)を観ております。
当時高校2年生だった私は、土曜日に学校をサボって友人と行きました。その友人とは、当ホームページで何度か登場しているレコード・マニアの彼です。いくら茨城県日立市から東京公演を観に行くとはいえ、別に土曜日だから学校終わってからでも充分間に合ったハズですが、何でサボったんだろ? 確かその時にお茶の水でトーカイ・ファイブスターを買ったんだな(笑)。でも思い起こせば、公演当日は彼のお兄さんが住むアパートに泊めてもらって、ギターは翌日の日曜日に買った気もする。だったら、サボる必要はやっぱり無いよね。そうだな、公演会場(渋谷公会堂)にギターを持って行った記憶は無いな。
なぜワザワザ学校をサボったのか?その辺の記憶は曖昧ですが、このライヴで非常に記憶に残っていることがあります。私達は2階席の最前列でした。ロックのコンサートってのは、開演直後に立ち上がったら、結局そのまま立ちっぱなしでノリノリというのが普通でしょ? で、我々もそうだったんですが、2曲目ぐらいで後ろの席の人から、「座って下さい!」と言われました。係員じゃないよ、普通のお客さんよ。まだ高校生だった我々は、「お前等も立てよ!!」などと言い返すワケもなく、渋々と座りましたよ。ハード・ロックのライヴで座って観たのは後にも先にもこれっきりです。
このライヴで思ったのは、ゲイリーのギターが上手いのは当然として、歌も上手かったことだな。けっこうビックリでした。それとゲイリー・ムーアというとレスポールというイメージが非常に強いですが、当時はほとんどの曲をサーモンピンクのストラトでプレイしていました。例の'59年レスポールを使ったのは、このアルバムの曲だと「Always gonna love you」だけだったかも。持ち換えたばかりで、出だしでいきなりチューニング狂ってたんですが、その後気合いで微妙にピッチを修正しながら弾き切ったのを覚えています。流石でした!
ゲイリー・ムーアは、そのプレイを聴くと「弾いている時の表情が見える」数少ないギタリストです。ロック・ギターのお手本としては最高ですので、ギタリストのみなさんは持っていなければマズイですね!
(2014/10/26)
さて、“聴くといいかも”です。
先月は更新を休んでしまいました。イイワケをするつもりもナイですけど、種々の事情が有ったのです。だから今月はちょっと意表を突いてみようかな?とか思いました。イヤ、まあ若い頃は私もバリバリのメタラーだったことは何度かバラしていますね。ですから、私の当ホームページやブログをくまなく読んで下さっている神のような読者様であれば、それほど意表を突いた感じでもナイかもしれませんが……。
ってなワケで、今回はLOUDNESSでございます。
私、大学生の頃、コピーバンドでLOUDNESSはけっこう演ってました。ギタリストの高崎晃氏は言うまでもなく“バカテク”であります。(敬礼!!)
さて、熱狂的なLOUDNESSのファンにとって、どれがベストなのでしょうか? きっと諸説在るとは思われます。しかしながら、私のようにある意味、それほど熱狂的でないファンが選んだアルバムの方が世間的には“フェアな評価”じゃないか?とかムダに言い切ってみまして、私的なラウドネスのベスト・アルバムを今回選んでみました。
“SOLDIER OF FORTUNE”(1989年)。
さて熱狂的なラウドネス・ファンからクレームは来るでしょうか? イヤ、私なんか眼中にナイということも含めて(笑)、きっと来ないと思います。っていうか、「そうだそうだ、その通り!!」という声が私のアタマの中をこだましております。Voはマイク・ヴェセーラです。これが見事に嵌っています。でもあんまり売れなかったんですよね。
でも楽曲の充実ぶりと高崎氏のプレーはすさまじいです。あのギター・サウンドの質感は世界最高峰と言っても過言ではありません。とにかく耳に突き刺さりますね。現在の私のギター・プレイや楽曲からは想像もつかないかもしれませんが、私としては高崎氏のディストーション・サウンドはマネはしないにしても、常に“理想のサウンドの一つ”として意識していたりします。イヤ、マネできるのならやってたかも(笑)。
とにかくあれだけ歪んでいるのに“音が立って”いるのは凄いことなんですよ。
きっと右手のコントロールがほとんど“神の領域”にまで達しているのだと思われます。何度か言っていますが、結局のところギター・サウンドを決定づけるのは右手のピッキングなんですよ。ちなみにジョージ・リンチが初来日した時に、「高崎のギター・アンプはどこに行けば試せるんだ?」と訊いたそうな。そのぐらい彼のサウンドは世界的に認められていたのでしょう。もっとも同じ機材を使っても高崎氏とジョージではあまりにもピッキング・スタイルが違うから同じ音なんか出るわけナイよな(笑)。まあジョージ自身も判っていたとは思うのですが。それでも訊かずにはいられなかったんでしょうね。
このアルバムも以前から“隠し球”的にいつかとりあげようと思っていました。で、久しぶりに大音量で聴いたのですが、発表から25年が経過していますが、やっぱりそのギター・サウンドは“世界最高峰”ですね。うん、メタル・ファンは(特にギタリストなら)持ってなきゃダメですよ。
(2014/12/21)