何様なんだよ?

はじめに

 エラそうになんやかんやと講釈をたれるこのギター弾きのオッサンは、いったい何様なんだ? どのような経験を持ち、どのような思考(嗜好?)が、あの揺るぎない自信とキレキレギターを生み出すのか? オッサンの実体を暴くべく、わたくし影の声が、毎回1つの質問をぶつけていきたいと思います。はてさて、いったいどうなることやら……

その1 初めて組んだバンドについて教えてください。いつ、どこで、どんなことを活動をしたのですか?

 というワケで、新企画です。私の場合、ひたすら書くことができてしまう反面、計画性には乏しい感じでありますので、一体どの辺に収束するのかは“神のみぞ知る”ということでご了承願いたいと思います。

 さて、今回のテーマは、「初めてのバンドについて?」ですが……。

 私は高校に入学してすぐに、YAMAHA SF-7000を手に入れまして、エレキ・ギター・デビューを果たしましたが、もちろんバンドはありません。そんな折り、同じ高校の先輩が、「ハードロック・バンドを結成するからギターをやらないか!?」と誘ってくれました。私はその頃既に、洋楽しか聴かないようになっていまして、その“ハードロック”という言葉に惹かれてやることにしました。私としては、マイケル・シェンカーとかレインボーとかをやるモノだと思っていたのです。

 そのバンドは、私以外は全員一つ年上でした。それに加えて、私がメンバーになったのが一番最後……。ですから何をやるのかという決定権は私にはありませんでした。先輩達の言う通りの曲をやるしかありません。で、“ハードロック”といっていたはずなのに、何故か最初にやることに決まったのが、全曲ハウンド・ドッグの曲でした。別にハウンド・ドッグがいけないワケではありませんが、私の想像とは全然違っていました(笑)。

 そのバンドには、まあイナカですから(茨城県日立市)、練習場所としてメンバーの1人の親が所有する空き家がありまして、そこを自由に使うことができました。東京に住んでいると有り得ない話かもしれません(笑)。というワケで、練習するのに交通費しかかからなくて、それはそれで大層けっこうなことだったのですが、やはり段々とストレスが溜まっていって、遂に5回目ぐらいの練習で私はバックれました!!

 普通に考えたら、同じ高校の先輩のバンドをバックれたのだから、放課後に体育館の裏に呼び出される展開も有り得ましたが(笑)、え~と、当時の私は強面で、そういうこともありませんでした。

 この経験は私に、「次はぜってぇ~洋楽をやるんだもんね!!」という決意を固めさせることになったのです。そうして翌年の2年生の時に、学園祭でステージを飾るために、自らがリーダーとなって、クラスの音楽好きとともにバンドを結成しました。メンバーは5人で、ギター×3(そのうち一人はキーボード兼任)、ベース、ドラムで、専任のヴォーカルはいなくて、ギターのうちの誰かが歌うという、今考えるとこれもまた変則的かも。その時点でバンド経験のある人は皆無。まあ……、イチからのスタートだったのです。だいたい、バンド経験どころか、ベースとドラムに関してはほとんどその楽器自体が初体験でした(笑)。まあ、よくある話ではあります。(敬礼)

 そうは言っても、それぞれがブラスバンドなどの音楽経験はありましたので、完全なる音楽の素人というわけではなかったところが、ちょっとしたポイントだったかもしれません。何故なら、選曲が……、普通は演奏できそうなモノを選んだりとか、好きなバンドのコピーバンドをやったりするんじゃないかと思うのですが、それぞれが好き勝手なモノをやりたいと言い始めたのです。バンドはやったことがないけれど、音楽に関しては“ちょっとうるさい”という連中が集まっていたのです。

 というワケで、1人1曲ずつやりたい曲を選ぶという形になってしまいました(笑)。それ故、統一感はまるでない選曲となることに……。

 AC/DCの「Hells Bells」、ボストンの「Don't look back」、イーグルスの「Hotel California」、レッド・ツェッペリンの「Stairway to Heaven」の4曲までは思い出せるのですが、あと1曲がなんだったか忘れてしまいましたわ!(笑) けっこう洋楽ロック名曲集ですね!? 最初に演奏する選曲としては、かなり無謀かもしれません。じゃあ、私は全曲リード・ギターだったのか!?っていうとそうでもなくて、AC/DCはギターを弾かずにヴォーカルをやりました。しかも声を潰して歌いました。今思うと、「何で!?」って感じなんですが、何故かそうなっていました。

 実際のところ、初めてのバンドでボストンとかツェッペリンをやろうってのは、なかなか有り得ない話でしょう!? バンドってモノがどういうものか判っていれば!?(笑)

 ところが……、これがそれなりに上手くできちゃったんです。若いということ、無知だということは、時には強力な武器にもなりますな!!(笑) ベースとドラムがその楽器の未経験者であったけど、それぞれが音楽センス溢れる金管楽器奏者であったことも大きかったんですがね。

 場合によっては、最初にツェッペリンなんかやろうとしたら、全然上手くいかなくて、もう金輪際バンドなんかやるもんか!!という流れもあったと思うんですよ。でも奇跡的に上手くいっちゃったせいで、私はバンドの面白さにハマってしまい、その後にコンスタントにバント活動を始めることになるわけでして。うん、無謀な選曲で始めてしまい、そこで達成感を得たからこそ、今日の売れないミュージシャン鈴木浩憲が誕生したのですね。そういう意味でこのバンドの無謀な選曲が、私にとって“偉大なるムダな第一歩”だったのかもしれません。

(2012/11/4)

その2 初めて買ったレコードはなんですか?

 “言いたいかも”を御覧になった方は、既にご存知かもしれませんが、どうやら私のレコード会社が倒産したようです(笑)。笑ってる場合じゃないだろっ!?って感じですが、その関係上、これまでmero.jpより配信されていました “FLY”が配信停止になってしまいました。ご迷惑をおかけしまして大変申し訳ありません。ですが、これでダウンロード購入してくれた方々には、将来この「FLY」が幻のトラックとしてプレミアがつくかもしれませんよ!!という楽しみが残りましたね!? っていうか、そんなワケねぇ~じゃん!? このネタはブログでも使いましたな(笑)。それよりも何よりも、まずお前が、

「幻のミュージシャン!!」

にならないように頑張れよって感じです。ええ、これからも変わらずに当ホームページ、ブログともにばく進していきますので、変わらぬご愛顧をお願いします。

 さて、“何様なんだよ!?”第2弾の質問は「初めて買ったレコードは何ですか?」ですね。イヤァ~、よくぞ訊いて下さいました!! これはけっこうポイントなんですよ。初めてレコードを買ったのは小学5年生の時なんですが、私は当時、プロレスの大ファンでありました。今では考えられないかもしれませんが、プロレスって当時は民放ゴールデンタイムで放送していました。私は当時日本に存在していた三つのプロレス団体、全日本プロレス、新日本プロレス、国際プロレスのすべての放送を可能な限り観ていました。それどころか月刊プロレス(当時はまだ月刊だったのよ!)も毎月欠かさず買っていました。けっこうなプロレス・ファンですね。小学5年生としては(笑)。

 というワケで、私が最初に買ったのはクリエイションの……、そう、あの日本を代表するギタリスト、竹田和夫氏のバンドですよ!!その「スピニング・トーホールド」のEP盤です。そうです!!若い人にはまったく馴染みのない“ドーナッツ盤”の45回転レコードですな。当時500円か600円でした。どうしてこのレコードなのか!?という疑問があるでしょうが、この曲は当時、全日本プロレスに来日していた人気レスラー、ドリー・ファンク・ジュニアとテリー・ファンクの“ザ・ファンクス”の入場テーマだったのです。スピニング・トーホールドというのは彼らの得意技であって、この曲自体がそのワザをイメージして創られたモノなのであります。(敬礼!!)

 そして竹田和夫氏ですから……、当然この曲はギター・インストなんですよ!! 私はその当時まだ、ギターなんて触りもしてません。それなのに最初に買ったレコードがプロレス好きから来ているとはいえ、ギター・インストとは!!

 しかも、まだ続きがあります。2枚目に買ったレコードはピンク・フロイドの 「One of these days」(吹けよ風、呼べよ嵐)です。賢明な方ならもうお判りでしょうが、こちらは名悪役アブドーラ・ザ・ブッチャーが入場する時に使われていました。

 というワケで、最初の2枚がプロレス好きが高じての結果だったとはいえ、現在の私を暗示していたと言えるかもしれません。だって、単にそのレスラーのファンだからというよりも、当時から曲自体を非常に愛していた気がするからです。ブッチャーなんて悪役ですから、所詮子供の私にとってはむしろ嫌いだったんですが、あの曲にはとても魅力を感じて買ってしまいまして、しかも強力に愛聴していました。ピンク・フロイドがどんなバンドかなんて判りもせずに……。

 不思議なものですが、この小学5年生の時に現在の私の将来が決まっていたのかもしれません!!

(2012/12/2)

その3 初めて全曲とおして弾けるようになった曲はなんですか?

 というワケで、非常に不思議な企画“何様なんだよ?”も3回目です。“ギター上達術”とともに私もその行く末にかなりの不安を抱いているのですが、もう賽は投げられた!!ってな感じで進めていこうと思います。さて、今回の質問は「初めて全曲とおして弾いた曲」ですね。ギター開眼法でも触れていますが、私は元々アコースティック・ギターから始めましたから、ギターで全曲とおして弾けるようになった曲は、厳密に言うとフォークの曲だったりするのですが、まあ現在の私はロック・ギタリストですので、エレキ・ギターで全曲とおして弾けるようになった曲ってことにしましょう。

 その曲はThe Michael Schenker Groupの“Armed and Ready”です! まあ、これは“聴くとイイかも”の方で一度書いていますね。ですから、どうやって弾けるようになったか?という過程を詳しく書いてみましょう。

 エレキ・ギターを手に入れた高校1年生の鈴木は、当時メチャクチャ聴きまくっていたマイケル・シェンカーの曲を弾こうと試みます。ギター・タブ譜付きの楽譜も買ってきました。さあ、それじゃ一丁やってみるか!?で、弾けるほどマイケル・シェンカーは簡単ではありませんでした。マイケルってとにかくオルタネイト・ピッキングが多いのです。ギターを始めて2年半、エレキに持ち替えて数か月の高校生が簡単に弾けるモノではありません。

 で、仕方がないのでまずリズム・ギター・パートだけでも!という感じで弾いていました。まあ、そちらの方はなんとかなりました。でも、私は“ギター・ヒーロー”になりたかった。もっとも、現在の私の音楽性は決して“ギター・ヒーロー”って感じではありませんが(笑)。そんなある日、このままダラダラと弾いていても埒があかないな!?と思い始めました。そして、マイケルのフレーズを繰り返し弾いていればそのうちできるようになるかもしれないけど、結局のところ“そのフレーズ”に指が慣れてきて弾けるようになるだけじゃん!?ってことは、別のフレーズを弾く時はまた最初から慣れるまで繰り返しやるのかな!?これってスゲ~効率が悪くないか!?ということに気づきました。

 高校1年生にしては非常に老成化したメンタリティを誇っていた(その自覚はあった)私が思ったのは、「結局“5”の技術力を必要とする曲を弾きこなすには最低でも6とか7ぐらいの技術力が必要なんじゃないか?」ということです。その曲を弾くために必要な技術ってのは、その曲で使われる技術に対して“いっぱい、いっぱい”では無理なんじゃないかな!?ただダラダラと指が慣れるまで続けていても、実際の技術は向上しているかもしれませんが、新しい曲を始めるたびに、“いっぱい、いっぱい”の状態が永遠に続いてしまいます。

 というワケで、私は基礎練習をしようと決意しました。マイケルはオルタネイト・ピッキングが非常に多いから、ピッキングの練習を重点的にやろうと決めました。ところで、基礎練習をやるには、ギター教室に通って先生に教わるとか、教則本を買ってきてそのとおりに練習するなどの方法があります。でも何故か私はそのどちらも“かったるい”と思い、「どうせだから自分で練習パターンを考えてやる!!」と思いました。しかし冷静に考えれば自分で練習パターンを考える方がよっぽどかったるいですね(笑)。

 そして自分なりに考えた成果(?)が、ギター開眼法でも紹介している練習パターンだったりします。で、それを毎日1時間とか多い日は2時間とか淡々と練習するようになりました。そこには1年後、2年後には自在に指が動くようになるというイメージを思い浮かべながら……。実際、それをやり始めてからは、自分の技術では弾けないフレーズを誤魔化しながら弾くようなことはヤメテ、基礎練習を最優先にする感じでした。そうして半年ぐらい経過した時に、自分をテストしてみるという意味を込めて、久しぶりにマイケルの“Armed and Ready”を弾いてみました。で、実を言うと、意外にもあっけなく完璧と言って良いレベルで弾けるようになってしまいました。何でもそうですが、基礎ってのは重要なんだ!!と痛感しましたね。同時に、自分のやっていたことが間違っていなかったということへの達成感も相当なモノでしたよ。

 で、じゃあその約半年の基礎練習の果てにマイケル・シェンカーが弾けるようになったと言っているけれど、その“弾けるようになったという基準というか感覚”はどういうモノなのか!? う~ん、人によって“弾ける”と自覚するレベルは個人差があるかもしれませんね!? たとえばピアノ教室であったりヴァイオリン教室、さらにはエレキ・ギターも現在ではけっこう教室がありますが、キチンと先生から教わっているのなら、その先生が客観的に“弾けるようになった”と判断を下してくれます。第三者が判断してくれるのであれば、ある意味正しいと言えるでしょう。しかしながら、まだまだエレキ・ギターは多くの人が独学でやっていると思われます。そういう人達は、“弾けているか!?”という判断は自分で下さなければなりません。実を言うとこの判断レベルが、最終的にはその人の演奏技術レベルに大きく関わってきているのだと思われます。というワケで、参考までに私自身が“弾けるようになった”と、どうやって自覚するに至るかということを説明します。

 まず最初に目指すのは、基本的には完全コピーです。まあ、いかにそっくり弾けるようになるか!?ってこと。ちなみにちょっとした自慢話ですが、高校3年生の時に私は音楽室でランディ・ローズのギターを弾いていて、それを廊下で耳にした友人から、

「レコードをかけているのかと思った!!」

と言われたことがあります(笑)。まあ、私にとって“弾ける”というのは少なくともそれぐらいのレベルです。ただし、これは“少なくとも”って話であって、厳密に言うと私にとっての“弾ける”は違います。もちろん、フレットを見ないでも弾けるとかそういう話ではありません。

 とりあえず全ての音が完璧に“鳴っている”ことはもちろんなのですが、それに加えて自分なりのテイストを加えたり、よりベターだと客観的に思えるニュアンスが表現できるようなレベルで演奏できること。まあ言葉で伝えるのは難しいのですが、「その楽曲を自分で意のままに操れるようになる!」という感じですかね!? それを完全に自覚できた時が私にとっての“弾けるようになった!!”ということです。ちょっと偉そうですね!?でも偉ぶってもイイぐらいに、1曲を完璧に弾ききるというのは難しいことだと言えるかもしれません。自分が“弾ける”と思っているレベルを、もっと厳しく見つめ直すと、技術が今より向上すると思いますよ。って、何か最後は“ギター上達術”みたいになっちゃいましたね!(笑)

(2013/1/1)

その4 初めて「これが好きだ!」と思った音楽(曲)はなんですか? 

 さて、当ホームページの中で最も謎な企画、“何様なんだよ?”も4回目です。しかし私も“言いたいかも”とかで連日書きまくっているせいで、これまでに何を書いたのか自分でもだんだん把握しきれなくなってきましたよ(笑)。こうしていろいろと書いていることが、私の知名度アップに繋がって、私の楽曲を耳にして頂いて、

「このオッサン口だけじゃないじゃん!?」

みたいな展開を狙っているんですが、果たして上手くいっているのでしょうか!?

 というワケで、今回のお題は、「最初に好きだと思った音楽(曲)」ですね!?

 私の父は大層な音楽好きでした。基本はクラシック鑑賞なんですが、ギターやピアノの弾き語りで演歌も歌うという人でした。父が家にいる時、我が家ではクラシック音楽のレコードがかかっているというのは、“よくある日常”だった記憶があります。で、そのクラシックのレコードの中に、私が初めて自分で“これは好きだ”と意識したモノがあります。確か4歳ぐらいの頃だったと思いますが……。

 それはチャイコフスキーの「白鳥の湖」の第1幕の“Waltz”でして、特にこの曲の後半5分を過ぎたあたりのチェロによる主旋律の部分がとてもお気に入りでした。で、このテーマの部分は最後の“決め”の部分が変拍子になっていて、そこもスゲ~いい感じ!だったんですよ。とか言っといて、実は子供の頃からず~っと変拍子だと思っていたのですが、先ほどスコアを確認したら、ここは変拍子ではなかったです(笑)。まあ、いわゆるリズム・トリックだったようです!?

 実を言うと、私は変拍子やリズム・トリックってのがけっこう好きです。自分の楽曲の中にもけっこう取り入れています。ただ、これらを創る時に決して変拍子であることやリズム・トリックであることを意識して創ったことはありません。自分が一番気持ちイイ、カッコイイと思うように創ったら結果としたら変拍子だった!!リズム・トリックになっていた!!という場合しかありません。身体が自然にのれるように創ったら、間に7拍子が挟まりましたとか、普通は曲の進行って8小節を一つのパターンとして進むことが多いのですが、私の曲は7小節パターンの部分が出てくるとか、そういうことが多々あります。

 初めて好きだと意識した曲が、変拍子というかリズム・トリックを含んだ曲であって、そういう曲を音楽の予備知識も無い頃から好きだと思ったってあたりが、自分の現在の曲創りに大いに影響していると自分では思っています。ってなワケで、チャイコフスキーの影響を私は受けているのかもしれません(笑)。

(2013/2/3)

その5 初めて歌った歌について教えてください。どうして歌も歌うようになったのですか? 

 ええ!!良い質問です(笑)。これはけっこう現在の音楽性に関しては重要なポイントかもしれません。“言いたいかも”の方でちょっと触れていますが、私は元々はギタリストです。ええ、完全にギター専任(仙人)でしたよ!! しかも、歌を始める前ってのは、もうほとんど“ヘヴィ・メタル・ギタリスト”と言ってもよいくらいでした。

 じゃあどうしてヴォーカルもやるようになったのか!? 私は東京に出てきてから、あるバンドというかプロジェクトに参加するようになったのですが、その時に、「自分のアイデアを100%表現するバンドをいつか自分で創りたい!!」という想いが芽生えました。そして、そのプロジェクト脱退後に、自分がリーダーとなるバンドを結成しました。ドラムとベースに関しては充分満足いくメンバーと巡り会えたのですが、ヴォーカルだけはどうしても決まらずにいたのです。

 で、ベーシストが……、彼は凄腕だったのですが、「もういい加減ライブやれないなら俺は抜ける!!」って言い出したんです。私としては彼に抜けられる事態だけは避けねばならないところでした。で、そんなこんなのある日、オーデションを予定していたヴォーカルにすっぽかされまして、まあしかしながら、これが思わぬ転機となりましたよ。

「とりあえずお前(鈴木)が歌ってみ!?」

ということになり、半分冗談で私はギターを弾きながら歌いました。

 え~と、これがですね……、自分で言うのもなんですが、けっこう良かったんですね(笑)。そうね、これまでオーデションした中で一番とは言わないけれど、間違いなく上位に入るデキだったと思います。そうしたらベーシストとドラマーがムダに盛り上がってしまいまして、「もう、これでいこうよっ!!」ってなっちゃったんですね。

 さて、まあ私も腹を括りました。で、その時に既にオリジナル曲が10曲ぐらいあったのですが、それらはもちろんギター・パートに関しては“歌いながら弾く”ことを想定して創っていたワケではありません。ですから、ある程度歌いやすいようにギターのアレンジを変えてもイイか!?と2人に提案したのですが、

「ダメだ!!」

とアッサリ言われてしまいました(笑)。

 最初はホント苦労しましたが、実はけっこうできるモンだとだんだん判ってきました。普通はギターの刻むリズムと歌の譜割が違うと、どちらかにつられてしまうんですが、そのうちできるようになる瞬間ってのが訪れるんです。まあ、誰もがそうだとは言い切れませんが、どうやら私はそのようですね。

 さて、既に存在したオリジナル曲についてはアレンジもそのままでしたが、それ以降は自分が歌うということを前提に曲を創ることになりました。まあ、だからと言って、ギターがカッコよく弾けないから歌を多少犠牲にするとか、またその逆で、歌をキチンと歌いたいから簡素なギター・パターンにする!!というようなことは絶対しない!!ってのは肝に銘じていました。歌は歌、ギターはギター!! それは常にそうです。最初は歌えなくても死ぬ気で(大袈裟だな)練習すればイイのです。とはいえ、たとえばいわゆるメタル系のハイトーン・ヴォイスなんてのは私には歌えませんので、自然とメタル系の曲は創らなくなっていきました。

 まあでも、この変化は自分では良かったと思っています。ギタリストとしての表現の幅が拡がったような気もしますしね。ただ自分でいつも気になるのが、

「ギターに較べると自分は歌がヘタだなぁ~」

ということです。いつかギターに歌も追いついてやる!!とか思ってるんですが、同時にギターも上達しようと心がけていますんで、追いついてしまうようでは、それはそれでダメかもしれませんね(笑)。

 ついでに書いておきますが……、私の声はよく「ハイトーンですね!?」と言われるんですが、実際にはそんなに高くはありません(笑)。そういう風に聞こえる声質みたいです。ですから試しに私の楽曲をダウンロードしてみて、一緒に歌ってみて下さい!! ね!? けっこう高いと思っていても出るでしょ!? とか言って宣伝か!?これは(笑)。

(2013/3/3)

その6 初めて創った曲について教えてください。いつ、どんな曲を創ったのですか? 

 初めて創った曲……。実を言うと、はっきりとは覚えていません。確か高校1年の時にハードロック風の曲を創ったハズなんですが、もうどんな曲だったかさえあまり覚えていません。確実に言えるのは、“大したことない曲”だったってことでしょう(笑)。で、この曲はバンドのみんなに聴かせて演奏したということもありません。まあ、結局ボツになったということですね。ちなみにその高校の頃、さらに何曲かトライした覚えがあります。ただ、その後ほどなくして、私は基礎練習に急速に目覚めてしまって、数年間曲を創らなくなりました。結局、17~22歳ぐらいまでの間は、基礎練習とバンドでやっていた曲の正確なコピーと、大量のレコードを聴き漁ることに費やされました。イヤ~、最初に曲を創ってみたけれど、実際には自分のギターの技術や音楽の知識の不足を痛感しまして、「しばらくは修行の時!!」みたいな感じになったんだと思います。

 で、上京したのが22歳。この時は、自分でも“機は熟した!”というか、やらねばならないという気持ちで、作曲を始めました。まあね、別にギタリストだからって曲を創るのが義務ってワケじゃないですが(笑)、自然とそうなりましたね。

 正直言って私は曲を量産できるタイプではナイと自分で思っております。まあ自慢気に言うことじゃないですね。ですが、先ほど書いた“修行の時”のおかげというか、作曲というモノをあえてしなかったことによって、作曲を解禁にした最初の数ヶ月ってのは、次から次へと溢れ出る感じでした。その後の私からすると信じられない事態なのですが、最初の1週間で4曲とかできてしまって、それらはその後の自分のバンドの代表曲となりました。

 作曲の仕方っていうかアプローチってのは、もうホント人それぞれだと思います。だからどれが正しいとか間違っているとかは言えませんが、私の場合は、いろんなことに刺激を受けて、それが自分の中に蓄積されていって、それがいつか明確な形、つまり“私の楽曲”として湧き出てくる感じかもしれません。いろんな刺激とはもちろん音楽だけに限らずに、映画だったり読書だったりスポーツ観戦だったり、人間関係上の喜びや怒りなど人生の上で起こり得る全てですね!!とかムダに格好つけてんじゃね~よっ!?って気もしますが。

 何かどんどん質問の意図から離れていってしまってる感じですが(笑)、初めて曲を創った時の私は、次から次へと溢れ出てきて、その当時のことを私は自分史上の“奇跡の1週間”と呼んでおります。作曲ってのは、実を言いますと相当の技術と知識さえあれば、まるで順列組み合わせのようにこなすことも可能です。イヤ、これは別に批判ではないですよ。ただ私はこれはやらないんです。だってねぇ~、あの最初に溢れ出てきた時の感触ってのは、ちょっと言葉で表現できないぐらい素晴らしかったんですよ!! 私はいつも、「奇跡の1週間よ再び!!」と想いながら音楽を続けているんです。

(2013/3/31)

その7 ギター/ベース以外で演奏できる楽器はありますか? あるとしたら、その経験は現在役に立っていますか?

 ギターやベース以外に演奏できる楽器ねぇ~。

 ええ、もちろんあります。私は中学校の時、吹奏楽をやっていましたが、その時はトランペットを吹いていました。最初は野球部に入るつもりだったんですけどね。まあ、そんなことはどうでもイイか……。

 楽譜はもともと読めましたから、っていうか音楽は小学校の時から得意でしたからね。で、トランペットの経験が現在の役に立っているか!?ってことを考えますと、腹式呼吸は歌を歌うのに役に立ってますね。それと、クラッシック系の音楽を実際に演奏していたことは、楽器は違えどもかなり役に立ったと思います。っていうか、クラシックって楽曲のアレンジを学ぶには最適かもよ。変な話、“アレンジ”が無ければ成り立たない音楽ですから。

 他には……、ピアノはちょっとだけ弾けます。っていうか、自分の曲なら弾けますって感じかな(笑)。まあ簡単な伴奏程度ですけどね。ただ、ピアノの弾き方を理解しているので、実際に弾けなくても打ち込みでピアノ・パートを創ることは可能ですね。私のオリジナル作品でピアノが入っている曲は何曲かありますが(え~と、全て未発表曲だな)、半分は実際に演奏して、残りの半分は楽譜を書いて打ち込みをしたって感じです。まあ、ピアノでコード進行を考えて創った曲もありますので、ピアノは作曲する人にとっては大変便利ですね。ギターでは押さえにくいというか、思いつきにくいコード・ヴォイシングとかもピアノだといろいろと試しやすいですから……。

 さらには……、まあ自慢するほどではないですが、ドラムもちょっとだけ叩けます。昔、バンドのドラマーに教わりました。私は中々スジが良いそうです(笑)。ちなみに私は作曲の時、ドラムの打ち込みに関してはなるべく、“人間が演奏可能”というのを想定して創るようにしています。まあ、音楽としてスゲ~クールであれば、別に人間が演奏不可能でもかまわないとは思っていますが、私が創る楽曲のほとんどは“普通のロック”ですので、「あっ!?ここは手が足りねぇ~じゃん!?」とか考えながらドラム・パートを創っています。そういう意味で、“自然な”ドラム・パートにするためにはドラムが叩けるのも役に立っています。

 さて、ついでに“いろんな楽器ができることは必要か!?”ってことをお話しますが、私は必要だと考えています。え~と、もう当ホームページに書いたのかブログに書いたのか覚えていませんが(笑)、これまでに会ったことがあるミュージシャンで、いわゆる“音楽オタク”的な人、もう音楽以外に興味が無いとかいうヤツに限って、その作品は概して“ロクでもない”傾向にあったように思う!!というようなことを書きましたね。ええ、そうなんですよ!! 何故なら、そういう人は、作品を創るためのエッセンスを“音楽からしか”得ていないからです。視野が音楽だけでいっぱいになっちゃっているんですな。だからギターを弾くにあたっても、ギターのことでアタマがいっぱいの“ギター・バカ”よりは他の楽器を知っていること、演奏できることは非常に有益だと思っています。スポーツだって“クロス・トレーニング”という、他の競技もやってみることで良い結果に繋がることがあると言われてますよね。

 まあ、とはいえ、バランスも大事ですけどね。他の楽器にもいろいろ手を出していたら、どれもこれもが中途半端!!になっちゃったりして(笑)。何か最後は“ギター上達術”みたいになってしまうのは、最近の当コーナーの仕様なんでしょうか(笑)。

(2013/4/28)

その8 これまで観た中で、もっとも印象に残っているライヴを教えてください。

 印象に残っているライヴ!? このところはとんとご無沙汰ですが、20代から30代半ばぐらいまではけっこう行っておりました。1つには決めがたいので、印象に残っているライヴってのをいくつかあげていきましょう。

 まず普通に“最も感動したライヴ”ってのを思い出してみます。チケットの半券も取ってありますので、それらを今ずら~っと見てみました。一度だけ、“本泣き”したライヴがありますね。イヤ、“ヤヤ泣き”とか“ウソ泣き”(笑)のライヴはけっこうあるんですが、さすがに“本泣き”は一度だけです。それは1989年5月13日渋谷公会堂のGARY MOOREです。まあこの時は1人で行ったから、思いっきり泣けちゃったってのもありますけどね。「Wild Frontierツアー」だったと思います。実はこの来日ツアーはその5日前の5月8日の中野サンプラザホールでも観ているんですよ。で、それがスゲ~良かったので急遽会場で追加公演分のチケットを買ってもう一度行ったのです。そうしたら、基本的には同じセット・リストでしたが、この2回目の時はもう有り得ないほど素晴らしいパフォーマンスだったのです。

 さて、弦高バカ高レスポール弾きの鈴木がGARY MOOREのライヴに感動したってのは、別に意外でもなんでもないことでしょう。ギター・プレイの影響もかなり受けていますから、想定範囲内ってところでしょう!? ですから、今度はちょっと意外なところを思い出します。それは1990年5月16日武道館のMOTLEY CRUEです。モトリーを観るのはこれが2回目で実はそれほど期待していなかったんだな(笑)。でも、ヴィンス・ニールが凄く良かったんだな。それとショーとしてスゲ~良くできていました。ニッキー・シックスはちゃんとベースを弾いてなかったけど……(笑)。

 私が師と仰ぐVAN HALENのライヴは2度観ています。で、当然私はエディのギターをこの目で実際に見たかったワケですが、最初に行った1989年2月2日の東京ドーム公演は、エディのギターよりもアレックスのドラムにビビった記憶があります。意外かもしれませんが、私が観たライヴで一番良かったドラムってこの日のアレックスだったかも。

 音が一番良かったライヴってのも書いておきましょう。まあこの時は席がP.Aコンソールの直ぐ後ろってこともありまして、言ってみれば私はオペレーターさんとほぼ同じ位置でサウンドをモニタリングしていたことになります。だから音が良いのは当然かもしれませんが、それは1989年6月18日中野サンプラザホールのBADLANDSです。うん、私ジェイク・E・リーのギターって凄い好きです。これまで内緒にしてましたが(笑)。ライヴでギターの音がちゃんと左右に振れているのがはっきり判ったのはこの時だけです。

 さて、ついでにとてもビビった瞬間があったライヴってのも書いておきましょう。それは1986年6月2日NHKホールのLOUDNESSです。高崎晃氏のバカテクぶりはひろく知られていますが、何がビビったって、ギター弾きながらその曲のリズムと違うタイミングでスキップしてたんだよぉ~(笑)。“この人どうなってるんだろ!?”と非常にビビったのを覚えています。

 とまあ、良い意味で印象に残っているライヴはこんな感じですが、せっかくですから(?)悪い意味で非常に印象に残っているライヴも書いておきましょうか。それは1989年8月15日川崎市立産業文化会館のTNTです。このバンドのギタリスト、ロニー・ル・テクロはかなりの凄腕です。だから私は非常に期待していました。で、実際生でそのプレイを観たら……、スゲ~幻滅しました。イヤ、レコーディング通りに弾けていないということはありませんでしたよ。まあほぼ完璧にプレイしていたと思います。でもね、何というか“棒立ち”状態でプレイしていたんだな。レコードのプレイを再現することに必死という感じ。ちょうど前出の高崎晃氏とは真逆!? 高崎氏には「レコードでのプレイなんて全然余裕なのね!?」という非常に懐の深いところを見せつけられましたが、ロニー・ル・テクロはレコードのプレイが“いっぱい、いっぱい”だったのだと露見してしまいましたね。ええ!!それ以降、TNTはどうでもよくなりました(笑)。私はライヴってのには、

「とんでもないモノ」

を期待してるんですよね。オッサン偉そうじゃん!?って感じもしますが、ただ聴くだけならCDを聴けばイイのですから。“ライヴならではの特別な何か”を観たいですよね!?ってなワケで今回は終わりたいと思います。

(2013/5/26)

その9 これまでに死ぬほど聴いた曲を教えてください。

 これまでに死ぬほど聴いた曲ですかぁ~!?
 じゃあ思いつくままに何曲か挙げていきましょうね。

「Frederick」・・・Patti Smith Group

 のっけから意外ですか? 私は基本的に女性ヴォーカルって実は苦手なんです。でもパティ・スミスとケイト・ブッシュは数少ない例外かな!? この曲はアルバム『Wave』の冒頭に収録されているんですが、単純なコード進行だけでもこんなに素敵な曲になるんだな!!と聴く度に感心してしまいます。ちなみに賭けてもイイですが、シンディ・ローパーの「Time after time」は絶対この曲を元ネタにしています。

「I'm not in love」・・・10cc

 この曲を7万回ぐらい聴いていたとしても、何の不思議もないでしょう!? むしろそのぐらいは聴くべき曲だと思います。っていうか、一日中この曲だけ繰り返し聴いていても全然OKです。そのぐらい素晴らしい曲です。っていうか、みんな知ってますよね!?

「The Holy River」・・・Prince

 私、実はブラック・ミュージック全般があまり好きではありません。どうしてかと言うと、あの独特のグルーヴ感は素晴らしいと思うのですが、身体がノリ過ぎちゃって、最終的に独特の落ち着かない感じになっちゃうんですよ。何というかおしりの据わりが悪いと言うか……、で、長時間聴いていられないんですよ(笑)。この感覚が判る人っていますかね!? でもPrinceだけは例外かな。これまでにPrinceのPの字も出していなかった鈴木ですが、もうこの人は……、っていうか多分人類じゃないな(笑)。ホント、有り得ないぐらいの才能を持っています。きっと才能が有り余ってしまってむしろ不幸なんじゃないかな!?と思うぐらい。あまりにもヤバ過ぎて、「Princeにだけは生まれたくねぇ~な!!」とか思います。きっと他人に見えないモノがたくさん見えていると思いますよ。この人は。っていうか、きっと人類じゃないから「この地球外生物は」と言うべきですかね。Princeってギター上手いですよね。私は個人的にそのギターのニュアンスにジェフ・ベックと同じモノを感じます。

「Everybody wants to rule the world」・・・Tears for Fears

 まぁ~た、お前狙ってんじゃないの!?とか言わないで下さい。Tears for Fearsは大好きなんですよ。この曲も全世界で大ヒットしましたからご存知の方も多いと思います。この曲の発表当時はまだ私はバリバリのメタル・キッズだったのに、最初に聴いたときからやられました。でも何気にギターが格好イイんだけどさ。ちなみにシンディ・ローパーの「Time after time」ほどの確信はナイですが、この曲の元ネタはきっとJohn Lennonの「Starting over」なんじゃないかな!?と私が思っていることは秘密です。

「Parallel Lines」・・・Todd Rundgren

 え~と、オリジナル・ヴァージョンの方ではなくて『Up against it』に収録されているヴァージョンです。これはもう、7万回どころじゃないな。70万回ぐらい聴いているかもしれません。Todd Rundgrenは“聴くといいかも”でも紹介していますが、Princeの次ぐらいに才能が在るかもしれませんな。彼ぐらいの才能だと不幸までは行かないで、“メッチャ、ハッピー!!”かもしれません。彼になら生まれたい気がします(笑)。こんな曲が創れたらイイなぁ~といつも思いますが、同時に、

 「どうしてこの曲を創ったのが俺じゃないんだろ!?」

 とかムダなことを考えてしまいます。非常に妬ましい才能ですね。

(2013/6/23)

その10 これまでに死ぬほど聴いた曲を教えてください。今回は、ハード・ロック、ヘヴィ・メタル系でお願いします!

 前回はけっこうポップス寄りでしたからね。ロック・ポップスは一括りで全部一緒!!イチイチ細かいジャンル分けなんて考えないぜっ!!とは思ってますが、やっぱり多少は違いますよねぇ~(笑)。ってことで、今回はハード・ロック、ヘヴィ・メタル中心の選曲で!!

「For Those About To Rock(We Salute You)」・・・AC/DC

 この曲はですねぇ~、もう何と言ってもイントロの緊張感!!“一体これから何が始まるのだ!?”っていうワクワク感が凄い。それとサウンドの素晴らしさ!!何でしょうこの音は。当時の評論家が、「もう家庭用のステレオでは再生不能!!」とかワケ判らないことを書いていました。確かにこの目の前で演奏しているような音、特にドラムの音には高校生の鈴木はビビリまくり、未だに自分の楽曲を制作する時には、この曲のサウンドを一つのガイド・ラインとして常に意識していたりします。イヤ~、マット・ランジ(プロデューサー)は偉大です。

「Aces High」・・・IRON MAIDEN

 私は若い時にはヘヴィ・メタル少年でした。しかしながら当時は熱狂していたけれども現在では聴かないし、“聴きたくもない!”という曲も多くなってしまいました。でもこの曲は違います。絶対に違います!! っていうか、この曲を聴いて自分にスイッチが入らなくなった時には音楽をヤメル時が来たってことなんじゃないかな!?とか思っています。

「Mine All Mine」・・・VAN HALEN

 VAN HALENは私の中ではほとんど特別ですので、実は今回のような記事の場合、「全部VAN HALENの曲で埋め尽くす!!」ことにしたって良いくらいです。ホント、もうエディは私にとってジェフ・ベックと並んで神ですからね!!
 この曲は、楽曲全体が素晴らしい疾走感と、アレンジ上、演奏上の絶妙の“間”によって途轍もない緊張感が生み出されています。疾走感だけなら簡単ではないけれど創ることは可能です。でもそこにこのエディ独特の“間”というか、常人にはなし得ないリズム感が加わってもう一つ上の次元のロックが展開されている感じかな!? どうしてこうなるのか全然解明できません!! でもこの曲が解明できた時には、逆に音楽をヤメル時が来たってことなんじゃないかな!?(笑)とか思っています。

「Over the Hills and Far Away」・・・GARY MOORE

 私はご存知のように(?)GARY MOOREの影響を受けています。ただし、非常に偉そうに聞こえるでしょうが、彼の作曲センスにはしばしば?と思うことがあります。その理由を考えてみたのですが、ゲイリーは作曲の詰めが甘いのではなく、ムダに詰め過ぎているんじゃないかなぁ~!?と思ったりします。その上彼は、以前ブログの方でも書きましたが声が“暑苦しい”感じもしますので、何と言うか 「お腹いっぱい!!」というか「閉塞感」を感じる曲が多い気がします。
 ってなワケで、私はゲイリーの楽曲は「ダメな曲は少ないけれど、同時にスゲ~イイ曲も少ない」という印象を持っています。頑張りすぎなんだよ!ゲイリー!!(ムダに上から目線)
 でもこの曲は……、実はゲイリー上手いこと力が抜けているんです。ゲイリーに馴染みのない人は“えっ!?これで力抜けてるの!?”(笑)とか思うでしょうが……。
 この曲はGARY MOOREの楽曲としては最高傑作だと私は思っています。

「Achilles Last Stand」・・・LED ZEPPELIN

 この曲は……10分以上あるんですよ。でもそんなに長く感じるか!?
 どうしたらこんな曲が創れる!?人類の奇跡だろっ!?
 ハード・ロック史上最高傑作でしょうね。異論は認めない!!
 この曲の凄さは解明・説明できないし、する気もありませんよ。
 ただ聴いていればイイんだって!!

(2013/7/21)

その11 これまで聴いてきた音楽の中で、これにはやられたというか、打ちのめされた曲はありますか? 

 ミュージシャンというモノは、自分の才能に疑いを持ってはいけないことになっていますので(笑)、そうそう他人の作品に“打ちのめされたり”はしません。っていうか、ホントは打ちのめされているんだけれど、それをそう簡単には認めません(笑)。でも、私にはもう初めて聴いて以来30年以上打ちのめされ続けている曲があります。

 それはプリンスの『When doves cry』なんです。大ヒット曲ですね。きっと年配の方々でこの曲が大好きだという方も多いことでしょう。私はこの曲をリアルタイムで高校生の時に知りました。じゃあ、30年打ちのめされ続けているのだから、この曲が鈴木の考える“ロック史上最高の名曲”なのか?と訊かれるとそれはちょっと違うのですけどね。

 この曲のヴォーカル・パターンって……、一つのパターンしかない!!
 これってみなさん気づいてました!?
 イヤ、多分気づいている人がほとんどだと思うのです。
 気づいているのだけれど……、そんなことどうでもイイ!!というか、誰も気に留めずにこの曲にのめり込んでいるんですよね!?

 現代において、名曲と言われている曲でここまでパターンというかアイデアがシンプルな曲って珍しいですよね!? たった一つのメロディ・ラインだけでここまで人々の魂を揺さぶれるなんて、プリンスの才能の為せる業だと言ってしまえばそれまでですが……。

 それで私は打ちのめされ続けながら、ず~っと考えていることがあります。
 この曲について、当時のバンドのメンバーや、ディレクターはどう思ったのだろうか?ということです。プリンスはプロデュースも自分でやっていますし、天才ですからひょっとしたら他人の意見なんか参考にしないのかもしれませんが(笑)、 仮にプリンスに意見をできる人がいたとして、

「この曲は展開しないのか!? 展開部があった方が良いのでは!?」

とかいう話にはならなかったのでしょうか!?
 っていうか、凡人だったら言っちゃいそうですよね!?

 ただ、私の想像ですが、最初に他人が聴くことになったのは、この曲がもうほぼ完成した状態だったのではないか!?ってことです。プリンスって、それこそノってくると48時間ぶっ続けで作業するようなこともあるらしいですから、プリンス殿下はこの曲をみんなが寝ている間に一人で作業して(笑)、ほぼ完成状態にしてから聴かせたのではないか!?

 たとえパターンが一つでも、この曲を聴かせられたら誰も文句は言えまい!?
 展開がどうとか言ったらかえってバカじゃん!?
 これが名曲『When doves cry』誕生秘話です(笑)。(ホントか!?)

 っていうかこれは「何様なんだよ?」でしたよね。
 え~と、こういうことを考えているのが鈴木なんですよ!!

(2013/10/20)

その12 「ロック史上最高の名曲」といったら何ですか? 

友人「前回、プリンスの『When doves cry』について、“ロック史上最高の名曲”なのか?と訊かれるとそれはちょっと違うって書いてたけど、じゃあ、鈴木にとっての“ロック史上最高の名曲”はなんなのか、すっげー気になってるんだけど?」
鈴木「そうかぁ?」
友人「うん、きっと数少ない読者の皆さんも気になると思うんで(笑)、今回は、“ロック史上最高の名曲”を考えるってのを、どうだ?」
鈴木「それを決めるのかあ? 中々壮大で難しい試みだな!?」
友人「まあ、だから今回は、お前が好きなことを片っ端から言って、それを俺がツッコンデ最終的に巧いことまとめる感じでいこうぜ!!」
鈴木「そんなに巧くいくとは到底思えんが……。じゃあ、年代的に古い順に思いつきで言ってみるわ! そうだな、The Doors『Break on through』とかどうよ!?」

友人「おおぉ~っ!いきなり来たな。もうそれで良いかも(笑)」
鈴木「オイッ!!もう面倒になったのか?」
友人「イヤァ~、よく考えたらお前のムダな弁舌に耐えられるかどうか……。っていうか、あんまりマイナーなのは止そうぜ。ドアーズがそうだと言ってるワケじゃないが。」

鈴木「オイオイ、俺は何だかんだ言ってマニアっぽいのは嫌いだって知ってるだろ!? もちろん一般的に広く知られているアーティストの曲しか選ばんよ。」
友人「よし!じゃあ次に行こうぜ。ドアーズは保留にしておいてやるよ。」

鈴木「古いのからとか言っておいて今思いついちゃったんだけどさ、Wham!の『Last Christmas』を超える曲ってそうそう無いんじゃないか!?」
友人「お前ねぇ~、言ってることは判るけど、“鈴木浩憲が選んだロック史上最高の名曲はワムの『Last Christmas』です!!ってここに書いてもイイワケ!?」
鈴木「うん、さすがにまずいなそれじゃ(笑)。で、年代順とか言ったけどイチイチ考えるの面倒だから、年代関係なく思いつきで行くことにするよ。え~と、Aerosmithの『Sweet Emotion』とかどうだ?」

友人「ふ~ん、好きなんだ!? でも却下だな。多分全世界のエアロスミス・ファンがお許しにならないと思うんだな。その辺も考えろよ。確かにお前のホームページだからお前の好きなことを書いてもイイんだけど、お前らしさと共に世間も認めるようなモノをズバッと選んでくれないとな。」
鈴木「何か勝手にハードル上がってないか?でもまあ一理ある。じゃあエアロスミスで続けてみるけど『You see me crying』でどうだ?」

友人「う~ん……、バラードはダメだな!」
鈴木「また勝手にハードル上げやがったな。バラードはダメなんだな!?『Magic touch』とかはどうよ?」
友人「そうそう!そんな感じ!でも却下だけどな(笑)」

鈴木「もうエアロスミスは諦めるわ。じゃあAC/DCの『Highway to Hell』なんかは?」
友人「悪くはないけど“もう一声!”って感じだな。」
鈴木「判った!では取っておき『Riff Raff』!!」
友人「うんうん、そんな感じ!!これは保留で取っておこう。次々!!」

鈴木「何かお前にただ踊らされている気がしてきたが、同時にノッテ来た(笑)。Don Henleyの『The Boys of summer』はどうだね?」
友人「ウワッ!?ヤベエ! ここで終わりにしてもイイ気がしてきた。その曲は否定しづらいな。でも保留にしておくからどんどんいこうぜ!」
鈴木「ちょっとポップス寄りを続けるけどHall & Oatesの『Say it isn't so』!」

友人「スゲ~お前らしくて、俺個人としては凄く面白いんだけど、世間を納得させるのは難しそうだから却下!!」
鈴木「じゃあ続けてStingで、……え~と、やっぱりStingはヤメテ(笑)、The Policeの『Wrpped around your finger』な。」
友人「スネアが“タンッ!!”か!?う~ん、これは却下するのは難しいな。残しておいてやるよ。」

鈴木「まあ俺らしくってことで、The Carsは外せない気がするので『Magic』。どうせ『Drive』はバラードだからダメなんだろ!?」
友人「『Drive』がバラードかどうかと言うよりも、果たして“お前らしく”でカーズってのがどれほど認知されているか疑問だな。だからカーズは却下な!」
鈴木「お前さぁ~、何か否定して楽しんでいないか!?」
友人「イヤイヤ、全然そんなことないぞ! ある意味俺もディレクターとしての手腕を試されているワケで、これは俺にとってもチャレンジなんだよ!!(ウソだけど)」

鈴木「じゃあもっと普通にロック寄りに戻してみよう。意表を突いてDeep Purpleとかから選んでみるか!?」
友人「それは俺が腰を抜かすからダメだ(笑)。マジメに考えろよ。きっと何かネタを思いついたのだとは思うが。」
鈴木「イヤァ~、ネタってほどでもないんだけどね。でもムダに長くなりそうだからカンベンしといたる!じゃあもうツェッペリンに行っちゃうか!?」

友人「う~ん、覚悟を決めたから言ってみな!」
鈴木「大丈夫だよ、決して『Stairway to heaven』とは言いませんから。っていうかツェッペリンの中で一番好きなワケじゃないし。『Whole lotta love』、『No quarter』、『All my love』のどれか。」
友人「え~と、『Whole lotta love』はアリだけど普通だな。『No quarter』は世間が認めるか!? 『All my love』はねぇ~、けっこうイイセンかも。残しておくよ。なんか、長くなりそうだな。今回はここまでにしておこうや。」

  • 現在候補として残っている曲
    • The Doors 『Break on through』
    • AC/DC 『Riff Raff』
    • Don Henley 『The Boys of summer』
    • The Police 『Wrpped around your finger』
    • Led Zeppelin 『All my love』
  • 却下された曲(笑)
    • Wham! 『Last Christmas』
    • Aerosmith 『Sweet Emotion』『You see me crying』『Magic touch』
    • AC/DC 『Highway to Hell』
    • Hall & Oates 『Say it isn't so』
    • The Cars 『Magic』『Drive』
    • Led Zeppelin 『Whole lotta love』『No quarter』

(2013/11/4)

その13 「ロック史上最高の名曲」といったら何ですか? Pt2 

鈴木「じゃあこの前の続きね。」
友人「おう、ツェッペリンのところだな。」
鈴木「ツェッペリンと言えばさぁ~、俺は『Achilles Last Stand』をこのコーナーの別の回で、ハードロック史上最高傑作って書いてるんだよね。」
友人「だから?」
鈴木「イヤァ~、ってことはここで挙げるべきなんじゃないかなぁ~!?」
友人「う~んとね、ダメだな!」
鈴木「何でよ?」
友人「長過ぎっ! せめて5分程度の曲にしようぜ! だってさ、ロック史上最高の名曲ですって言って、知らない人に聴かせる時に10分以上の曲を聴かせるのはどうよ!?」

鈴木「う~ん、確かにな。果たして納得して良いものやら微妙だが(笑)、そのローカル・ルールも採用しよう。長さは5分程度でバラードはナシな。」
友人「さぁ~て、ガンガン行ってみようか!!」
鈴木「John Waiteの『Missing You』とかどうだ?」
友人「それ、……ネタだよな!?」

鈴木「(別にネタのつもりじゃねえのに)判ったよ!じゃあDavid Bowieな。」
友人「『Jiggy Stardust』とか言ってみんなをガッカリさせるのか?」
鈴木「うんっ!? それは別にガッカリしないだろ? まあ違うんだけどな。とはいえ同じアルバムからだけど、やっぱり『Five Years』だろうな!!」
友人「そのアルバムからだったら『Soul Love』とかが俺は好きだな。でもな、『Five Years』はけっこうお前らしいし、良いかも! これは残すわ。」

友人「あのさ、本来お前が挙げていって俺がイチャモン付けるスタンスだけど、俺が言ってもイイ?」
鈴木「言ってみ!?」
友人「バカにするかと思うんだけど、Def Leppardとかどうよ? 『Rock of Ages』?」
鈴木「イヤ、ホントはね、アリでもイイと思うんだけど、きっとみんなにバカにされるよな(笑)。だからボツな。っていうか、こっちの立場の方が楽しいな!」

友人「じゃあさ、ひとまずメタル系を検証しようよ。最終的に残るかどうか微妙なんだけどさ(笑)。また俺が出しちゃうけど、Metallicaの『Enter Sandman』な。」
鈴木「イヤね、一部の人にとっては“そうだ!!”ってことに充分なりそうだけどね。ここは懐の深さを見せて残しておくことにしようぜ!!」
友人「どういう立場からモノを言ってるんだか!(笑) まあお前のホームページだから別にイイんだけどさ。」

鈴木「じゃあ調子に乗ってMötley Crüeの『Dr.Feelgood』は?」
友人「俺スゲ~好きだぞ!!」
鈴木「『Kickstart my Heart』はどうだ?」
友人「おおっ!!カッコイイよな!! どうせ最終的には残らないだろうけど(笑)どっちか残しておこうぜ。じゃあ『Kickstart my Heart』だな。」
鈴木「残らないだろうけどって……(笑)、でもさ、これでもイイような気がしてきた。」

鈴木「ここはIron Maidenも行っとかなきゃダメだよな。まあヤメロとか言われてもやるけどさ。やっぱさぁ~、メイデン・ファンは『Prowler』とか『Wratchild』って言うのかな?」
友人「う~ん、そうだな。そうかもな。それはそれでやっぱりカッコイイよな。」
鈴木「でも初期の作品はこういう場には(どんだけだよ?)相応しくない気がするので、やっぱり『Flight of Icarus』と『Aces High』のどちらかって感じか!?」
友人「それならやっぱ『Aces High』かなぁ~。お前は別にコテコテのメイデン・マニアじゃないんだからそれでイイと思うぞ。」
鈴木「どうでもイイ話だけどさ、メイデン聴いてる時って、俺はギタリストなんだけどエア・ベースしちゃうんだよ!!」
友人「ホントにどうでもイイ話だな! ま、わかるけどな。」

鈴木「じゃあ当然なんだけどJudus Priestも行くぞ!!」
友人「俺、あんまり明るくないんだよな。好きにしてイイよ(笑)。」
鈴木「じゃあね、ちょっとだけマニアックなんだけど『Running Wild』と『The Ripper』。これさぁ~、高校の時スゲ~好きだったのよ。うん、でもこの場に相応しくないな。自分で先に言っちゃうけど。だから普通に『Electric Eye』ってことで。」
友人「それに文句はつけられないな! 残しておくよ。」

鈴木「じゃあ次はOzzy Osbourneね。」
友人「う~ん、やっぱりやるのね!?」
鈴木「そりゃそうだろ。何かまずいのか!?」
友人「イヤね、俺もOzzy Osbourneは大好きなのよ。だけどけっこう普通の人とズレている自覚があるもんで、的確なツッコミをする自信が無いんだな。」

鈴木「う~ん、俺も実はけっこう意外なところを突こうと思っていたんだが……、とりあえず最初の3枚のアルバムから選ぶということでイイか!?」
友人「うん、そりゃそうだろ!」
鈴木「では普通の人だったら?と考えると『Crazy Train』、『Mr.Crowley』、『Over the Mountain 』、『Bark at the Moon』辺りだろうな。」
友人「うん、そんなところだろ。俺は……、違うけどな……。」

鈴木「違うのか!? 試しに言ってみ?」
友人「……、『Biliever』、『Little Dolls』、『S.A.T.O』かな!?」
鈴木「大丈夫か!?それがオジーでベストだと思うのか!? ロック史上最高の名曲を決めるとか言ってるんだぞ!? まあイイ曲だとは思うけどな。」
友人「だからズレてる自覚があると言ってるじゃん!! すげー好きなんだよ!悪かったな。え~とじゃあ、お前が最初に挙げた4曲から選ぶとすれば『Bark at the Moon』かな。」

鈴木「イヤイヤ、俺が好きなのを挙げたワケじゃないんだよ。一般的なのは?って話であって俺様には実を言うと隠し球があるのよ。まあ『Bark at the Moon』でもイイような気もするのだが……、実は俺がオジーでベストに挙げたい曲は……、『Steal away(The Night)』なのだよ!!」
友人「ほぉ! ま、お前のホームページだからな。らしくてイイ感じだぞ(笑)。それにしよう!! 今回はこのくらいにしておこうぜ。でも全然収束に向かってないような気がするのだが……。」

  • 現在候補として残っている曲
    • The Doors 『Break on through』
    • AC/DC 『Riff Raff』
    • Don Henley 『The Boys of summer』
    • The Police 『Wrpped around your finger』
    • Led Zeppelin 『All my love』 (前回まで)
    • David Bowie 『Five Years』
    • Metallica 『Enter Sandman』
    • Mötley Crüe 『Kickstart my Heart』
    • Iron Maiden 『Aces High』
    • Judus Priest 『Electric Eye』
    • Ozzy Osbourne 『Steal away(The Night)』 (今回分)
  • 却下された曲(笑)
    • Wham! 『Last Christmas』
    • Aerosmith 『Sweet Emotion』『You see me crying』『Magic touch』
    • AC/DC 『Highway to Hell』
    • Hall & Oates 『Say it isn't so』
    • The Cars 『Magic』『Drive』
    • Led Zeppelin 『Whole lotta love』『No quarter』(前回まで)
    • Led Zeppelin 『Achilles Last Stand』
    • John Waite 『Missing You』
    • Def Leppard 『Rock of Ages』
    • Mötley Crüe 『Dr.Feelgood』
    • Iron Maiden 『Flight of Icarus』 (今回分)

(2013/11/17)

その14 「ロック史上最高の名曲」といったら何ですか? Pt3 

友人「お前さぁ~、この話あと何回やるつもりよ?」
鈴木「うん!? そうだなぁ~、今回ともう1回ぐらいになるかなぁ~。」
友人「あんまり引っ張ってもアレなんで、もう今回で完結させないか!?」
鈴木「……、そうかぁ?」
友人「そうだよ。ムダ口減らせばイイんだけじゃん(笑)。」

鈴木「じゃあホントはメタル系の続きでBlack Sabbathとかもやろうと思ったんだけど、スルーするよ。」
友人「あっ!?ちょっと待て。一言、言わせてくれ。『Paranoid』って一応名曲ってことになってると思うんだが、俺さぁ~、あれ聴くと何か笑っちゃうんだよね。なんかダサくね?」
鈴木「えっ!?うん! 笑うのは普通だろっ!?アレはダサイだろ!! じゃ、次。」
友人「オイオイ、俺はかなり意を決して言ったのにスルーなのか?」
鈴木「ムダに引っ張ってるのはどっちだよ? さっさと次に行くぞ(笑)! Van Halen行ってみようか!!」

友人「あのさ、一つずつ検証しているとキリが無くなるからさ、ここらではっきりと“ロック史上最高の名曲”の定義付けをしておこうよ。」
鈴木「なるほど、確かに。で、俺が決めてイイんだよな?」
友人「お前のサイトだ、好きにせいっ!!」

鈴木「まず一般的に広く知られているアーティストの作品であること。あまり長い曲(大作)は避ける。バラードもなし。こんなところか!? え~と、シングルヒットしているかどうか!?はこれまでに挙げたモノで該当しないのがあるので、それはパスしよう。それから少なくとも30年以上は聴き続けられた作品であること。比較的新しい作品については、今後そうなると確実に思える作品ってことね。こんな感じでどうよ!?」
友人「それだとまだまだ曖昧だな。範囲が広すぎるよ。もっとお前が選んでいるポイントも具体的に挙げてくれないか?」
鈴木「なるほど。そうだなぁ~、“イントロを聴いただけでワクワクする曲”。それから“その後のミュージックシーンを考えると新機軸と思われることを成し遂げている曲”。まあ一種の発明みたいな曲な。それからこれは判りづらい話かもしれないけど、“通常の音楽的技術や感性、経験則からは到底思いつかないだろ!?”って感じの曲。その閃きはとんでもないだろっ!?って俺が感じる曲かな!?」
友人「なるほど、そういう風に言ってくれれば読者のみなさんも判ってくれるかもね。」

鈴木「でね、Van Halenなんだけど……」
友人「まさか『Jump』とか言わないよな!?」
鈴木「言わない、言わない(笑)。実はこれずぅ~っと思ってることなんだけどさ。Van Halenの『Dreams』って曲は、一種の発明だったと思うのよ。その後、ああいうタイプの曲の原型を創ったという意味でさ。だからあれは偉大なる名曲だと思ってるのよ! この話がピンとくる人が少数派ではないことを俺は祈ってる!!」
友人「ふ~ん、そうかぁ~。『Dreams』は候補なんだな。俺は断然『Ain't Takin' 'bout Love』だな。」
鈴木「おう、あんなにカッコいいイントロの曲なんてそうそうあるモンじゃないけどさぁ~、さっきの定義に照らし合わせると……、っていうか、なぜお前がムダ口叩いている!!」

友人「悪い悪い。次行ってくれ。」
鈴木「じゃあU2な。初期の曲もいいけど、俺はやっぱり史上最高の名曲ってことを考えると“The Joshua Tree”の中から選ぶべきだと思う。アルバム最初の3曲は実際にどの曲でもアリだろ!? ただ、そこからでも簡単には決められない(笑)。この3曲のどれかがロック史上最高の名曲ということに国連総会で決まったとしても、俺はそれを素直に受け容れるよ。」
友人「何だよ、国連総会って!!」
鈴木「あのね、俺にとってはね、『Where The Streets Have No Name』は途轍もない高揚感のある曲なのね。もうその“高揚感部門”ではチャンピオンだな。『I Still Haven't Found What I'm Looking For』。俺はこの曲を聴いていると希望に溢れてくるんだ。“希望に溢れてくる”部門ではきっとチャンピオンだ(笑)。そして『With Or Without You』。こんな途轍もないラブソングは他に無いだろ!? きっと“途轍もないラブソング”部門ではブッチ切りのチャンピオンだ!!」
友人「で、もったいつけてるが結局のところどれを選ぶのよ?」
鈴木「うん、俺はクリエイターなんだよ。無名だけどな(笑)。だから“希望”を選ぶんだよ!! 何かを創りたければ常に希望が無ければならないんだな!!ってことで、『I Still Haven't Found What I'm Looking For』を選びます。文句はありますでしょうか?」
友人「今の話を聞いて文句があるとしたら……、そいつはバカだろ!?」

鈴木「実は意外だと思うんだけど、Queenからも選びたい曲があるんだよ。」
友人「お前、Queen好きか!?」
鈴木「うん、別にそんなに好きじゃない(笑)。でもね『Killer Queen』と『Now I'm Here』はぜひ挙げておきたい!!」
友人「多分判っていると思うけど(笑)『Now I'm Here』はポピュラリティーという意味で却下な。でも『Killer Queen』はアリだな。俺も実はQueenでベストなのはこの曲だと思うし。」

鈴木「一応言ってみるけど……、Pink Floydはナシだよな!?」
友人「まあナシだな。Pink Floydはアルバムがコンセプチュアルであって、その中の1曲を選ぶとかいうモノじゃないだろ!?」
鈴木「うん、そうだよな。言ってみただけだ。」

友人「そう言えばお前、ストーンズは? ビートルズも出てないぞ?」
鈴木「付き合いの長い俺の口からストーンズの話題が出たことがこれまで何回あった?」
友人「う~ん、ほとんど無いな。俺が覚えているとすれば○ースなんてどうでもイイ!!とかいう話ぐらいだな。でもお前、ミックはけっこう好きじゃなかったか!?」

鈴木「まあな。ストーンズが偉大じゃない!何てことは言わないけど、俺はストーンズ自体は好きじゃないからさ。別に無いよ(笑)。ビートルズに関しては好きじゃないってことではなくて、まあ勝手に別格扱いにしている感じかな。ビートルズから選んじゃダメでしょ!? ワザワザ俺が選ぶ意味も無くなっちゃうと思うし。」

友人「ツェッペリンは別格じゃないんだ?」
鈴木「まあその辺は難しいところだが、ポピュラリティーという意味ではツェッペリンはワザワザ考慮するまでもないギリギリのラインかなぁ~と思ってさ。」
友人「まあ結局、基準はお前が決めるワケだからな。それでイイよ。で、もう終わりか?」
鈴木「イヤイヤ、まだ終わってない。これは反則かもしれないんだけれど10ccの『I'm Not in Love』はどうだね!?」
友人「これはバラードには入らないか!? それとけっこう長くないか?」
鈴木「バラードというよりは“とても素敵なポップ・ソング”だろ!?(笑) まあ長さはねぇ~、長いっちゃ長いが……。でもぜひ認めて欲しいのだが。」
友人「なんか、卑怯者という感じがするが、まあ良かろう!!」

鈴木「ホントはもっとさらに拡げて検証していくべきなんだろうが、いい加減にしないと還暦ぐらいまで続きそうだから、次でいきなり最後ってことにする(笑)。それはStingの『Englishman in New York』だ!!どうだ文句あるか?」
友人「その曲が不的確だとか言うつもりはないけど、どうして最後にそれなんだ!?って気はするが(笑)。」
鈴木「良いものは良いんだよ! でもこれだと読者の方は“けっこう範囲が狭くない!?”とか思ってるかね?」
友人「う~ん、お前は別にコテコテのCDマニアってワケじゃないからな。聴く人じゃなくて創る人なワケだし……。一人の人間が真剣に語れる範囲なんてそんなに広くないだろ!? こんなもんでもイイんじゃないか!?」

鈴木「では決定するぞ!! で、参考までに訊くけど、お前がこれまでの候補から選ぶとしたらどれ?」
友人「おいっ、ホントはお前の心の中では決まってるんだよな!?」
鈴木「何!? ホントは決まってるクセに余計なことをグダグダと書きやがって!!ってことか?」
友人「イヤ、そうじゃない。むしろお前の中でキチンと決まっていてくれた方が望ましい。もし俺が何か言うことで影響があったらいやだなと思っただけだよ。」

鈴木「心配は無用だ!」
友人「だよな。俺に影響されるようなやつじゃないよな(なんか偉そうだしな)。じゃあ言うけど……、The Police 『Wrpped around your finger』とLed Zeppelin 『All my love』のどちらかで悩むところだな。ただこの2曲は自分との関係性がそれぞれで違うような気がするんだ。ずっと聴いていたいというか、常に自分と共にあるのは『Wrpped around your finger』なんだけど、史上最高というのとは違うんだな。『All my love』はねぇ~、一緒にあるモノというよりは遙か彼方にある目標にすべきモノって感じ。だから史上最高は『All my love』だな!!」
鈴木「ほぉ~、面白い考え方だな。さて実は俺も最終候補は2曲あるんだよ!! ブログの方でコメントをもらうことは無かった曲なんだけどな。だから意外に思われるかもしれないけど、その一つはDavid Bowie 『Five Years』だ。そしてもう一つは今回出した10cc『I'm Not in Love』なんだよな。」
友人「そうなのか? 俺はThe Doors 『Break on through』と言うんだと思ってたわ。で、最初に出した曲かよ!?その後あんなにグダグダ言ったのが意味無いじゃん!?とかいう展開なのかと思ってた。お前のことだから充分ありそうだし(笑)。で、どっちにするのよ?」
鈴木「それが難しいのだが……、お前のさっきの考え方はけっこうイイなと思ってさ。うん、俺にとって『I'm Not in Love』はいつも心にある曲だな。『Five Years』は……、ちょっと違う。決して俺の心にいつもあるワケじゃない。でもな、あの曲を聴くといつも打ちのめされるし、同時に俺もいつかはこういう曲を創ってやる!!とか思う。こっちは遙か彼方にある目標なのかもしれないな。だからロック史上最高の名曲はDavid Bowie 『Five Years』ということにするよ!!」

友人「それでイイんだな!?」
鈴木「うん、予定通りだし、途中でああだこうだ言ってもブレなかったから決定だ!!」
友人「どうやらそういうことに決まったようです。でもこれで鈴木がどういう考えを持って音楽に対峙しているか、少しはみなさんに伝わったかもな。」
鈴木「そうだな、これは“何様なんだ?”だったよな。」

  • ロック史上最高の名曲候補に挙がった曲達
    • David Bowie 『Five Years』・・・これに決定!!
    • 10cc 『I'm Not in Love』
    • The Doors 『Break on through』
    • AC/DC 『Riff Raff』
    • Don Henley 『The Boys of summer』
    • The Police 『Wrpped around your finger』
    • Led Zeppelin 『All my love』
    • Metallica 『Enter Sandman』
    • Mötley Crüe 『Kickstart my Heart』
    • Iron Maiden 『Aces High』
    • Judus Priest 『Electric Eye』
    • Ozzy Osbourne 『Steal away(The Night)』
    • Van Halen 『Dreams』
    • Queen 『Killer Queen』
    • U2 『I Still Haven't Found What I'm Looking For』
    • Sting 『Englishman in New York』
  • 却下された曲(笑)
    • Wham! 『Last Christmas』
    • Aerosmith 『Sweet Emotion』『You see me crying』『Magic touch』
    • AC/DC 『Highway to Hell』
    • Hall & Oates 『Say it isn't so』
    • The Cars 『Magic』『Drive』
    • Led Zeppelin 『Whole lotta love』『No quarter』
    • Led Zeppelin 『Achilles Last Stand』
    • John Waite 『Missing You』
    • Def Leppard 『Rock of Ages』
    • Mötley Crüe 『Dr.Feelgood』
    • Iron Maiden 『Flight of Icarus』
    • Queen 『Now I'm Here』

 これらの曲で知らない曲があったらぜひ一度聴いてみることをお奨めします。  全部読んで下さった方、お疲れ様でした!!

(2013/12/8)

その15 ブログで「ゲイリー・ムーアは、フィギュアスケートには合わない」と再三書いていますが、フィギュアスケートの音楽について一家言お持ちなんでしょうか?

 まあ鈴木は無名とは言え音楽家なんですが(笑)、それ以前にスポーツを観るのが好きなんですよ。スポーツなら何でもイイワケじゃないんですけど……。
 で、フィギュアスケートを観始めたのって……、つまり何気に観ているというのならそれまでに何度も観ていたんですけど、自分から積極的に観るようになったきっかけは、1998年長野オリンピックのグリシュク/プラトフ組(ロシア)のアイスダンスを観てからなんです。

 知人に勧められて観たんですけどね。もう「これだっ!!」って感じにハマっちゃいました。ところで、フィギュアスケートってのは音楽に合わせて演技をするじゃないですか!? で、最初に観たのが“アイスダンス”ってところがポイントなんですね。つまり、はっきり言ってフィギュアの4カテゴリーの中では、最も音楽と演技の調和というか親和性が求められるというか、実現されているというか……、それがアイスダンスでしょ!? 自称音楽家(笑)の私にとってこれは重要です。これが女子シングルとかだったら見向きもしなかったかもしれません。

 そういう経緯があるので、私の中では“フィギュアは音楽と一体となって競技するモノ”という概念が出来上がっているのです。ですから、良い演技をするにはそれ以前に良い音楽が無ければダメだと思っています。もちろん私はフィギュアの技術的な専門知識には乏しいので、理屈ではそうでも簡単なことでは無いのかもしれませんが……。

 で、私がブログでフィギュアのことをああだこうだ書くのは、単にフィギュアが好きってこともありますが、音楽が絡んでくるから、そしてその音楽に疑問を感じたりすることがあるからだと思っています。もちろん、単に素晴らしい楽曲というだけでは、フィギュアのプログラムとして使えないのは理解しているつもりです。フィギュアのエレメンツをその音楽に織り込むには、その曲のテンポ、構成、楽曲自体の長さなど様々な“縛り”が出てきます。

 ですから、“フィギュアに適した曲”ってのはある程度絞られてきてしまいます。
 ただね、私としてはその辺が納得いかないというか、その“縛り”に逆に甘えているのじゃないのか?と考えたりすることも多いのです。テンポや楽曲のサイズが合っているからこれイイじゃん!?みたいな……。

 ブログでも過去に書きましたが、いつも疑問に思うのが、往年のヒットナンバーのインストヴァージョンね。何というかこれってファミレスとかスーパーで流れているのが妥当じゃねぇ!?というモノがほとんどだと思うんですよ。そんな曲に乗せて滑られてもねぇ……。その曲の原曲を振付師やコーチ、演技者である選手が好きなんだとしても、果たしてその使っているインストヴァージョンも好きなのか?っていうか、初めてそのインストヴァージョンを聴いて、「この曲は素晴らしい!!」と言えるレベルか?ってのはいつも思います。

 音楽が創られた時には……、まあサントラとかはそうも言い切れないかもしれませんが、その音楽だけで一種の芸術として完結するように創られていると思うのです。つまり本来であればその音楽だけを聴いて楽しめるように創られているという意味ね。だからこそ、フィギュアスケートという“芸術性を兼ね備えた”スポーツにふさわしい音楽を選択すべきだし、その音楽の素晴らしさに釣り合う演技をするために、っていうか、その演技のボーダーラインを上げるためには、そもそも素晴らしい楽曲を選んでおかなきゃダメじゃん!!とか思うんですよ。

 つまり、そんなヘボい曲を選んだ時点でもう負けだろ? ヘボい曲と一体になったところで、素晴らしい表現などムリでしょ!? でも、
「演技以前に選曲がダメじゃね?タコじゃね?」
ということはあまり言われないような気がします。だから私はそこを言いたいんですよ。

 加えて、その“縛り”に甘えるという点で言えるのが、
「みんながやたらと同じ曲を使う」
ということ。別に振付師や選手が音楽マニアである必要はナイかもしれませんが、「それ以外に曲は知らないのか?」とか言いたくなることが最近多い気がします。

 それってほんとにイイ音楽なの? フィギュアスケートに合ってるの?
 そこを気をつけてみんなが観るようになれば、みなさんの音楽的感性もフィギュアスケート的美意識も向上して、それがフィギュアスケート界の発展に繋がるんじゃねぇ!?
 え~と、余計なお世話でしょうか!? でもこれ“何様なんだ?”だからイイよな(笑)。

(2014/1/5)

その16 昔はコピー曲もやっていたと思いますが、どんな曲をコピーしていたのですか? その経験は今に生かされていますか?

 鈴木はそのギター歴の割には、コピーした楽曲の数が少ないと思います。けっこう若い時から基礎練習中心でしたからね。でも当然最初は“コピーバンド”をやっていたワケでして、その時にはコピーもしました。しかもかなりムキになって“完全コピー”を目指していましたね。

 さて、じゃあそのコピーした中で役に立ったのは? 上達の途上でやってきたコピーは、ほとんど例外なく役に立っています。うん!?それを言っちゃあオシマイか(笑)。じゃあもっと具体的に、それぞれコピーしたギタリストごとに書いていきますよ。

 まずランディ・ローズ。彼が参加したオジー・オズボーンの2枚のアルバムは、ほとんどコピーしました。ランディをコピーして役に立ったと思えるモノは、左手のフィンガリングが一番かな。ちょっと普通のロック・ギタリストとは違いますね。小指使わないと話にならないし……。バッキングも彼がガット・ギターをプレイすることが関係しているのでしょうけど、ちょっとロック・ギターとしては風変わりな部分がありまして、非常に役に立ったと思います。でも……、現在の鈴木のプレイにその影響が見えるか?というと……、微妙ですね。

 続いてエイドリアン・ヴァンデンバーグ。大学時代に組んでいたコピー・バンドではヴァンデンバーグの曲が一番多かったかな!? エイドリアンはもうとにかくソロもバッキングも“弦飛びの嵐”なんですよ!! ホント、オルタネイト・ピッキングは彼のおかげかも!? 基礎練習を続けられたのも、それをやっていないとエイドリアンのプレイをコピーできないから!!という感じでした。エイドリアンのコピーをバンドでやることがなかったら、あれほど基礎練習をやっていたかどうか?疑問です。ですから、以前ブログの方でも触れましたが、エイドリアンの影響は大です。

 高崎晃氏。ラウドネスですね。実はそのコピー・バンドではラウドネス中心にやっていた時期もあります。ですから当時は鈴木もタッピングをやっていたんだよ!! 単純にピッキングでの速弾きも含め、“フィジカル・トレーニング”という意味でも、やっておいて良かったと思います。まあ現在では影響は皆無だけどさ。でも単に“やらない”のと“やったことがあるけど今はやらない”というのでは、途轍もない差がありますよね。

 さて、上記3人は普通にタブ譜付きスコアが出版されていましたし、雑誌でもかなり取りあげられる機会も多かったですから、「どうやっているか?」というのを知るには苦労しませんでした。しかしながら、鈴木や当時のバンドメンバーのお気に入りにトライアンフというカナダのロック・バンドがありまして、彼らは日本での知名度はイマサン。ですからスコアなどは出版されていなくて、耳コピをしなければなりませんでした。うん!これは大変だったぞ!! ギタリストのリック・エミットはガット・ギターの達人でもあるバカテク・ギタリスト。まあ“イッパイ、イッパイ”で何とかこなした感じ。現在、ギター・プレイで彼からの影響はほとんど感じないのですが、曲創りの点ではトライアンフには影響を受けている感じです。ですからある意味かなり役に立っているぞ!!

 そうそう、忘れてならないのはジェイク・E・リー。
 彼をコピーしたのはオジー時代の数曲ですが、あのサウンドとギター・プレイのアプローチは非常に影響を受けていると自分では思っています。まあ他人が聴いても判りづらい気がしますが。えっ!?ジェフ・ベックは?ヴァン・ヘイレンは? え~と、彼らにはその音楽全体から多大なる影響を受けていますが……、あんまりコピーしてないのよ!!

(2014/3/9)

その17 最初に買ったエフェクターはなんですか? またどんなエフェクターを使っていましたか?

 エフェクターについてはブログの方で“ムダなエフェクター遍歴”という記事を書いています。ですから当ホームページにおいでの皆様は読んでおられるかもしれませんね!? で、今回はその辺をもうちょっと詳しく(?)書いてみましょう。

 最初に買ったのがフェイズシフターというのは、かなり異端だと自分でも思います。ちなみにブランドはYAMAHAです。何故YAMAHAだったのか?ということを最初に書きますが、このエフェクターを最初に買った1981年(鈴木は高校1年)当時、YAMAHAだけが専用のエフェクトボードを発売していたのです。つまりYAMAHAのそのコンパクト・エフェクターをそのまま嵌め込むことができる専用のボードが有ったのですね。そのシリーズのエフェクターを最大12個まで組み込める大きめのタイプと、6個(4個だったかもしれない)組み込める小さいタイプの2種類が有りました。

 このボードは嵌め込むことによって、エフェクター相互のシールド連結および電源供給ができるという優れものだったのです。で、鈴木少年は将来的にこのボードの購入も画策しておりまして、それ故YAMAHAとなったのでした。もっともその当時の選択肢なんてそれほどありませんで、MXR(高い!!)かBOSS(今ほどには信用がナイ!)、そしてYAMAHAの3つしかありませんでした。イヤ待て!マクソンも有ったな。でも私的には生意気にも論外だと思っていたかも。ちなみに価格は、

MXR>>>YAMAHA>BOSS

ってな感じ。もし専用エフェクトボードがMXRにしかなかったら?という仮定を考えてみますが、う~ん、それでもMXRには手が届かなかったろうなぁ~!?というぐらいMXRは高い印象がありました。ただし評判は一番でしたが……。

 問題は何故普通にディストーションを買わなかったのか?という点かもしれません。
 うん、そこだろ?やっぱり。
 ブログでも触れておりますが、その後友人からトーン・ブースター(これももちろんYAMAHA製)を譲り受けるのですが、実はその話が先に決まっていたのかもしれません。そのトーン・ブースターというのは、ゲインをマックスまで上げるとほとんどディストーションと同じような効果が得られます。譲ってくれた友人の家はお金持ちでして、ギターはYAMAHA SA-2000というヤマハのセミアコ最上位機種を持っていて、アコギも確かYAMAHA L-10という10万円のを持ってたんですね。で、エフェクターもいっぱい持っていました。きっと、「これ、そのうち譲ってやるから。」と言われていたのだと思われます。

 それにしても何故フェイズシフターなのよ?別にコーラスでも良くねぇ!?という話です。それについては今回これを書くにあたって、記憶を振り絞って考えてみましたが、レッドツェッペリンのジミー・ペイジがけっこう使っているというのを、雑誌で読んだから!そしてコーラスはけっこう周りに持っている人がいたから……。つまり鈴木が“ツェッペリン好きで天の邪鬼”というのが最有力かな……、と。

 フェイズシフター1個だけ繋いで“ミャ~ミャ~”やっていた記憶はそんなにありません。多分その後1か月かそこらでトーン・ブースターが我が家にやって来たと思います。この2個を繋いで弾いていた記憶ってのはけっこうありますので。

 え~と、コーラスにしなかったもう一つの理由も思い出しました。情報があまり無かった当時、コーラスというのは一般的に“12弦ギターの効果”と言われていました。まあ決して間違いではナイですが、実際にはそうでもないよな(笑)。で、鈴木としては「別に12弦の音が欲しいワケではない!」という気持ちがあり、同時にコーラスを持っている友人・知人はそれなりにいたけれど、それを上手く使いこなしているヤツなんかいなくて(笑)、自分も是非手に入れよう!とは思わなかったのです。うん、そんな感じだと思います。

 そして3つ目のエフェクター。ブログでも書きましたがランディ・ローズの音を再現したいが為に、パラメトリック・イコライザーを買いました。そのヤマハのシリーズではグラフィック・イコライザーではなくパラメトリック・イコライザーしか無かった!というのも理由の1つっていうか、絶対的な理由か?(笑) ちなみに何故イコライザーだったのか?というのは覚えています。とある雑誌に“ランディ・ローズの音は1khz周辺の周波数を強力にブーストすると似た感じになる”という記事を読み、「じゃあ、イコライザーだ!」となったんだと思います。う~ん、単純な初心者丸出しだな(笑)。でもパライコは正直言って最初は苦労しました。でもそれも決してムダでは無かったです。散々弄り回して、かなりのサウンドを創ることに成功しました。これで私のエフェクターはパライコ、トーン・ブースター、フェイズシフター(笑)。どういう組み合わせだよ!? ちなみにブログに再三登場する高校時代に一緒にバンドをやった“素敵な牛舎を持つ友人”は、当時から、 「何でこの3つなんだろう?」 と不思議に思っていたそうです。どうだね、疑問が解けただろっ!?(笑)

 さて、鈴木はその後もヤマハ製のエフェクターを1つずつ手に入れていって、最終的には専用ボードも買ったのか?というのも気になるところですが(別にぃ~)、4つ目がコンプレッサー(ヤマハ製)、ここまではイイのですが5つ目のコーラスですけどね……、え~と、何故かそれはBOSS製でした(笑)。それを買った頃にはもう専用ボードなんてどうでも良くなっていたんだな!(何じゃそら?)ですから、専用ボードは買いませんでした。筋が通ってませんね。ゴメンナサイ!

(2014/4/16)

その18 先日から“ギターレッスンを承る”とのおしらせが出ていますが、どうしてまた突然、ギター講師をやることにしたのですか?

 当ホームページにも“ギター開眼法”と“ギター上達術”があるワケで、ギターを教えるということに関しては当然興味があったワケ。ただ、実際にギター・レッスンをやろうとはあまり考えてはいませんでした。
 じゃあ、どうしてやると言い出したのか?
 それは、ある二つのブログ記事を見たのがきっかけなんです。

 一つ目は、ギター教室に通っているというブロガーさんの記事。その方がギターを始めて何年になるのかは正確には判らないのですけれど、レベルはごく普通の初級者という感じ。ある日の記事で、そこの先生に教わったのか、そのブロガーさん自身で見つけてきたのかは忘れましたが、「左手の4本の指が独立して動くようになるためのエクササイズ」というのが、“非常にタメになる”という話として紹介されていました。

 私はそのエクササイズを知りませんでした。で、試しにやってみました。その左手4本の指が独立して動くようになるとかいうのを……。
 あのね、実は私、最初それできませんでした(笑)。
 ややムキになってしばらくやっていたら、そこそこできるようになりましたが。え~と、初心者が左手の4本の指が独立して動くようにするためのエクササイズだよな?

 一応私、30年以上ギターを弾いております。で、そうだな……、自分が弾きたいと思うモノは、キチンと音楽になるレベルで弾けます。ってことはつまり、“ギターを弾く”“音楽を奏でる”ことにおいて、そのエクササイズは必要として無かったということだな。みんなにとってもホントに必要なのかな? まあ確かに、指が独立して動くようになるエクササイズとしては有効かもしれないけど、“音楽を奏でる”というのとは全然違う気がしましたね。

 二つ目。これは「短期間で速弾きが弾けるようになる!」という類のギター講師さんがやっているブログの記事です。え~と、これは批判になっちゃうかな? でも批判するつもりでは無いんです。結果として、そこの教室の生徒さん達は短期間で速弾きがマスターできて幸せなんでしょうし、看板に偽りはないわけですから。

 そこのページに生徒さん二人の演奏動画が在りました。どちらもギターを始めて3か月程度だそうです。
 で、どうだったのか?
 正直、ギターを始めて3か月としては信じられないぐらい弾けていました。でも、
「えっ!? 実は3か月ってのはウソで、もっと経験ある人が弾いてるインチキなんじゃないの?」
 とは思いませんでした。きっとね、このギターを始めて3か月ってのはホントだと思います。何故そう思ったか? それはですね、この生徒さん達のレベルは鈴木がギターを始めて何年目ぐらいよ?と考えた時に、

「鈴木はこういうレベルでギターを弾いていたことは無い!」

 からなんです。“ギターを弾く”“音楽を奏でる”という成長過程において、当て嵌まるモノが無いんですよ。

 何と言うか……、その生徒さん達の演奏は、弾けているというか音は出ているんですが、とてもいびつな感じなんです。不気味というか不快というか。まあ断言しちゃうと「音楽じゃない!」という演奏。
 ギターを始めて3か月ということを考えると、ビックリするぐらい弾けているのは確かです。それが何故不快に聞こえるかというと、音楽的なリズム感とかピッチ感とか表現とか……、全てにおいて“音楽たり得る”ために必要な要素が未熟だからなんですけど。
 それらの非常に重要な要素を曖昧にしたまま“超速弾き”されてもね。っていうか、ムダに弾けるようになってしまったから、むしろ大変な気がします。何か非常に恐いです。この生徒さん達がこのまま素晴らしい音楽を奏でるという“正常進化”をするとは、とても思えないんだよな。

 最近のこの二つの体験に、けっこうなショックを受けたのです。
 もちろん、世の中には良いギター教室もたくさんあると思います。でも、こんなのはダメだわ!
 ですから、別に世間は待ってねえよ!とも思いますが(笑)、自分が役に立てることがアリそうだよな?との想いが強くなりました。そんなわけで、レッスン宣言をしてみました。
 まあそうそう生徒さんは来ないかも?とも思っていますが、みなさん、よろしくお願いしまぁ~っす!!

(2014/8/10)